2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18320121
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
松本 彰 Niigata University, 人文社会・教育科学系, 教授 (50165875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 秀樹 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (80236306)
細田 あや子 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (00323949)
森田 直子 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 助教 (30452064)
北村 昌史 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (20242993)
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Keywords | 国民国家 / 記念碑 / ロシア |
Research Abstract |
代表者松本は、2008年6月のドイツ学会におけるシンポジウム「記憶と想起の空間-ドイツにおける歴史意識のアクチュアリティ」において、「ドイツ記念碑論争1985-2008」のテーマで報告した。記念碑論争は現代ドイツにおける「国民国家とアイデンティティ複合」を象徴している。7月にロシア調査旅行の準備研究会を行い、8月、モスクワ、ノヴゴロド、サンクト・ペテルブルクを調査した。1)ロシアの基層文化としてのイコン芸術、2)ロシアにおける国民的記念碑の形成とその変容、3)大祖国戦争=独ソ戦の記憶について、記念館、記念碑、さらにサンクト・ペテルブルク郊外のピスカリョフ墓地、ソログボヴカのドイツ軍人墓地などを中心に調査した。 2009年1月、総括の研究会を行い、3年間の研究の総括を行った。3年間、ドイツ、アメリカ合衆国、ロシアを調査し、「国民国家とアイデンティティ複合」を歴史的に検討する基礎視座を検討することができた。これら三つの国は、18世紀の末に国民国家としての形成をはじめ、19世紀に国民国家として確立し、20世紀の二度の大戦を経験した。1989年のベルリンの壁崩壊後の激動の中で、分裂していたドイツは東西統合し、ロシアはソ連邦解体の中で、再出発した。一方、アメリカ合衆国は、オバマ大統領の就任演説に見られるように、依然として200年以上の国民国家の伝統を意識している。国民国家についての理論的検討は盛んだが、歴史に即しての研究は不十分であり、「国民国家とアイデンティティ複合」の意義について再確認した。
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Research Products
(15 results)