2006 Fiscal Year Annual Research Report
文化伝達の逆流現象と「エイジング」の変容に関する人類学的研究
Project/Area Number |
18320143
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Research Institution | Kyoto University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
野村 雅一 Kyoto University of Foreign Studies, 外国語学部, 教授 (60142014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 昭夫 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (00128779)
藤本 憲一 武庫川女子大学, 生活環境学部, 助教授 (00248121)
甲斐 健人 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (50272183)
玉置 育子 佐賀女子短期大学, 人間生活学科, 講師 (80369850)
樫永 真佐夫 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 助手 (10342643)
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Keywords | エイジング / 世代間関係 / 通過儀礼 / 文化伝達 / ジェンダー |
Research Abstract |
平成18年度(〜平成19年3月31日)の研究実績 平成18年度におこなった本研究の調査研究は、1.国内外の現地調査と、2.研究分担者の連携と共同討論のための研究会活動との二部に分けられる。 まず国内では、代表者の野村雅一が認知症の専門病院での空間環境と、患者と介護士たちとのコミュニケーションを調査するとともに、医療関係者とのネットワーク作りをおこなった。また、研究協力者のドイツのアッカーマンと認知症と世代間関係についてヨーロッパ社会との比較研究の準備をおこなった。次に、文化伝達の逆流現象に関して、分担者の藤本憲一が大学生を調査員として世代間の文化の移動の聞き取り調査を実施した。そして、野村らは高齢者のファッションの路上観察をおこなったが、その記録の一部を野村が総合研究大学院大学の特任研究員として主宰するウェブサイト(www.prj-ageing.jp)上に公開した。 エイジングの変容についての海外調査では、分担者の樫永真佐夫が伝統的な世代間関係が比較的よく維持されているベトナム西北部でその現状を調査し、川島昭夫は英国の近代における世代間継承の変化の史料調査をおこなった。また、野村は台湾在住の研究協力者ストッカーを訪ね、エイジングの変容をめぐる公開国際シンポジウムの開催や英文ウェブサイトの構築等、今後の国際共同研究を立案した。 研究会活動では、社会学者の井上俊を招いて開いた「ライフコースの変容」をテーマにした研究会等、公開の形で年間5回実施し、その内容を上記ウェブサイト上に発表した。 大衆長寿社会の到来とともにエイジングの後期で急増している認知症を、医学とは別に社会・文化的文脈から考察する公開国際シンポジウム「認知症と文化」は、年度を繰越して平成19年8月25日に実施した。これによって本研究の国際的連携を図ることができた。その詳細は上記ウェブサイトで公開する。
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Research Products
(8 results)