2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18330017
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
横山 美夏 京都大学, 法学研究科, 教授 (80200921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 久和 京都大学, 法学研究科, 教授 (30165782)
山本 敬三 京都大学, 法学研究科, 教授 (80191401)
佐久間 毅 京都大学, 法学研究科, 教授 (80215673)
吉永 一行 京都産業大学, 法学部, 講師 (70367944)
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Keywords | 財産管理 / 法主体 / 所有権 / 物権法理 / 契約責任 / 信託 / 委任 / 取引安全保護 |
Research Abstract |
信託型リバースモーゲージなど高齢者の財産管理への信託活用や、相続承継の自由化のための信託の利用が提唱されて久しいが、現実にはその利用はあまり進んでいない。これは、私法上の強行的な基本原理との衝突の恐れから、万一の無効リスクが考えられてのことであると考えられる。そこで、本研究は、ニーズがあるにもかかわらず実現を阻まれている財産管理方法について、その実現を阻む最大の原因となっている私法上の基本原理の意義と射程を明らかにすることを通じて、除去可能な無効リスクについてはこれを取り除くことによって、社会における新たなニーズに応える安定した財産管理方法の創出・充実に寄与しようとするものである。 上記の目的を達するために、研究初年度の今年度は、主として次の5つの作業をおこなった。 (1)新たに導入が提唱されている有力な財産管理方法について、構想されている基本的スキームとそこに認められる法的問題点(法的不安定性)の把握に努めた。 (2)昨年度成立した改正信託法の規定の内容把握と、従来問題視されてきた私法の基本原理と現行信託法下における信託の衝突状況についての変化の有無を把握するための検討をおこなった。ただし、この作業は、改正信託法の規定内容が相当複雑であり、その理解に時間を要するため、来年度も継続を要するものにとどまっている。 (3)私法におけるいくつかの基本的制度・基本原理(たとえば、所有権、相続、契約の自由・契約責任など)の淵源、基本的な捉え方、射程について検討した。 (4)(3)の検討成果の一部として、研究代表者である横山が、2006年11月23日にパリ第11大学において行われたシンポジウム「所有権と契約」(フランス国際的法協力研究所主催)において、日本法における所有権概念の機能につき報告した。 (5)研究分担者・吉永が、ドイツにおける信託・委任に関する立法動向、議論状況を調査した。
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Research Products
(5 results)