2009 Fiscal Year Annual Research Report
日中韓自動車および電機産業における競争優位構造の実態分析と競争優位戦略の再構築
Project/Area Number |
18330062
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
上山 邦雄 Josai University, 経済学部, 教授 (90095307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
かく 燕書 明治大学, 経営学部, 教授 (80287888)
呉 在? 明治大学, 国際日本学部, 准教授 (20396823)
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Keywords | 国際研究者交流 / 自動車 / 電機 / 競争力構造 / 競争優位戦略 / 日本:中国:韓国 |
Research Abstract |
平成21年度には、国内における研究活動に加えて、中国現地調査2回、韓国現地調査1回を実施した。本研究は、日本、中国、韓国の3国における競争力構造の現状を現地調査を踏まえて分析し、競争優位戦略の再構築の方向を国際共同研究を通じて明らかにすることを目的としている。今年度は最終年度であったが、この4年間の国際共同研究の総仕上げとして、緊密な研究体制が構築できた。その成果は、現在、出版を準備中であるが、今年度の現地調査およびその検計を通じて、これまで明らかになったことがさらに明確になった。まず、研究開始当初予想した以上に中国経済の巨大化が明確になり、しかも質的にも上昇度合いが著しかった点である。無論、現在でも、中国企業の実力は日本や韓国企業に比較すれば遅れており、未だに模倣段階にあることは否定できないが、中国政府はその点を強く意識し、長期的な戦略の下で、競争力を高める措置をとっていることを見逃すわけにはいかない。特に、一昨年のアメリカ発金融危機の発生以降、日本を含めた先進国経済が低迷を余儀なくされた中で、「家電下郷」「汽車下郷」に象徴される中国政府の産業振興策が一定の効果を発揮したことは重要である。その際、これ1までは1985年頃から鄭小平が唱えた先冨論により沿海大都市部を中心に先進国へのキャッチアップを追求する政策が採られてきたが、その沿海大都市へのキャッチアシプを通じて内陸部や農村部にも経済成長を波及させることを目指した政策が展開されていることが注目される.さらに今年度のBYD、長安汽車などの民族系自動車企業や液晶企業などへの訪問を通じて、企業レベルでも、先進国の技術水準へのキャッチアップへの意欲を感じることができた。また、日本企業が金融危機への十分な対応を示せない中で、ウォン安をも利用しながら、韓国企業が確実に競争力を高めている状況も把握できた。こうして、日中韓の競争力構造の実態をある程度動態的に捉えるととができたことが今年度の研究実績である。
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Research Products
(7 results)