2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本における航空ネットワークの再編成と空港の効率的運用
Project/Area Number |
18330065
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
竹中 康治 Nihon University, 経済学部, 教授 (50188207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 一誠 日本大学, 経済学部, 教授 (60290269)
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Keywords | 航空 / 空港 / 航空アクシデント / 株式市場 / 効率性 / 空港債 / 格付け / 推測的変動 |
Research Abstract |
1.航空の安全性と社会的規制の関係:経済的規制の緩和によって航空産業の安全性は変化したか,という問題意識にもとついて航空事故のリスクと企業行動の関係を分析した。株式市場における航空会社の安全確保の評価を分析するために,1995年から2004年の航空アクシデントを対象にイベントスタディを行った。その結果,アクシデントは企業の株式投資収益率に負の影響を与えることが証明された。これは,株式市場は航空会社に航空事故を抑制させるインセンティブをもつ可能性があることを示唆しており,社会的規制のうち安全規制のあり方に対してもひとつの論点を示している。 2.空港債格付けの決定要因の定量分析:Moody'sの格付けを被説明変数,再計算のうえ,同社の評価変数を説明変数とする順序型プロビットモデルによってアメリカの空港債の格付けを分析した。償還力の安全性,償還財源の多様性,流動性,経営のリスクマネジメントおよび競争力を表す指標が統計上有意になった。また,格付け会社は空港の固有の要因や地域経済に関する定性的要因も考慮していることが示唆される結果となった。 3.空港の効率性測定:企業が深刻な競争に直面しない産業では,市場による効率性の向上が期待できず,ベンチマーキングによる効率性測定が重要になる。交通はこの典型例である。しかし,空港は共通の財を投入し複数の財を産出するため,効率性測定には慎重な処理が求められる。そこで,包絡分析法(DEA),確率フロンティアおよび生産性指数などの従来の効率測定法の有効性と限界を指摘し,効率測定研究における最近の進展を提示した。そして,効率性測定の適用例として、日本の空港の効率性の測定、日本の航空の動学的費用効率性の測定および日本の航空と鉄道の杜会的効率性の測定に関する研究のサーベイを行った。
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Research Products
(7 results)