2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18330090
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
湯之上 隆 Doshisha University, 研究開発推進機構, 准教授 (90399056)
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Keywords | 半導体 / コンソーシアム / 合弁会社 / EUVL / ASET / セリート / エルピーダメモリ / ルネサステクノロジ |
Research Abstract |
昨年度は、研究の目的実現に向けて、以下の二つの仮説をたてた。 (1)コンソーシアムや合弁会社を設立すると、必然的に技術者が拡散する。日本全体で見ると、これが技術力の低下を招いていることを明らかにする。 (2)半導体技術は長い年月をかけて築き上げられた会社の文化であるため、二社合弁においては、長期にわたり技術的混乱を引き起こし、これが結果的に合弁会社の競争力を弱めていることを明らかにする。 この仮説を検証するために、つくば半導体コンソーシアム、EUVAおよびASET、ルネサステクノロジ、米国SEMATECH、欧州IMECなどを調査した。その結果、以下のことを明らかにした。 1)日欧米の三か所で次世代露光装置の開発が行われているが、欧米が一歩リードしている。この原因が、欧米はそれぞれ、一つのコンソーシアムに集中しているのに対して、日本にはEUVA、ASET、セリートと三つのコンソーシアムが存在し、この連携がうまくいっていない事情を明らかにした。 2)合弁会社エルピーダメモリおよびルネサステクノロジの内部では、技術分野ごとに、二つの会社の強烈な綱引きが行われ、その結果として、開発及び量産の効率が著しく低下している現状を、社員への聞き取り調査から明らかにした。 3)更に、エルピーダメモリがV字回復した背景には、坂本社長の経営手腕と、三菱社員から出向している十数名の技術者の存在があったことを明らかにした。三菱社員が、NECと日立間の摩擦、開発と量産の間の摩擦を解消し、エルピーダ本体とファンドリーへの橋渡しに大きく貢献した。
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Research Products
(6 results)