2007 Fiscal Year Annual Research Report
若者の中間集団的諸活動における新しい市民的参加の形
Project/Area Number |
18330101
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
浅野 智彦 Tokyo Gakugei University, 教育学部, 准教授 (00262220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 賢一 駒澤大学, 文学部, 教授 (20142193)
羽渕 一代 弘前大学, 人文学部, 准教授 (70333474)
岩田 考 桃山学院大学, 社会学部, 准教授 (60441101)
辻 泉 松山大学, 人文学部, 准教授 (00368846)
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Keywords | 社会学 / 性・世代 / 公共性 / 中間集団 / サブカルチャー / 社会関係資本 |
Research Abstract |
当該年度前半においては、若者の趣味的中間集団への参加状況を把握するために、前年度に引き続き調査票の設計を行った。それと並行して個々の趣味集団についてのより具体的な把握を目指して予備的なインタビュー調査を行った。対象者は、サッカーのサポータークラブを組織しているリーダー、野外ロックフェスティバルで活動するボランティアスタッフ、鉄道研究会の全国組織の幹部などである。 年度の中盤、比較対照として同じ質問票を使って調査する予定の韓国に出向き、現地の調査会社と韓国での調査の設計について話し合った。その後、東京都杉並区とソウル市でほぼ同じ時期に調査票の配布と回収を行い、これを統計ソフトによって分析可能なデータファイルへと入力した。 年度の後半は月に1回のペースでデータ分析検討会を行い、分析の結果を整理した。主要な知見としては、 ・社会関係資本論を予想する通り、趣味的集団への参加は社会的・政治的参加とプラスに相関する。 ・しかし社会関係資本論の予想を裏切って、趣味的集団への参加は一般的信頼・制度的信頼とマイナスに相関する。 ・信頼や寛容性とプラスに相関するのはむしろ集団ではなく友人関係でする。 ・政治的活動には恋愛関係がプラスに関係しており、親密な人間関係が公的・社会的な活動と密接な関係にあることがうかがわれる。 以上の知見を整理し、国際社会学会若者部会のアジア大会(2007年11月インド)およびメルボルン大学若者調査センター主催のシンポジウムにおいて報告を行った。
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