2007 Fiscal Year Annual Research Report
高等教育改革のコミュニケーション分析-現場における文化変容の質的検討-
Project/Area Number |
18330105
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
樫田 美雄 The University of Tokushima, 綜合科学部, 准教育 (10282295)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 彩子 大阪医科大学, 医学部, 講師 (20298772)
真鍋 陸太郎 東京大学, 光学系研究科, 助教 (30302780)
五十嵐 素子 北陵女子短期大学, 国際コミュニケーション学科, 准教授 (70413292)
北村 隆憲 東海大学, 法学部, 教授 (00234279)
阿部 智恵子 石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (80337427)
|
Keywords | エスノメソドロジー / 会話分析 / コミュニケーション / 高等教育 / PBLチュートリアル / ワークプレース研究 / ワークショップ / ビデオエスノグラフイー |
Research Abstract |
1研究会等……平成18年度からの継続の隔月の研究会を2つ維持した。 2調査等……A大学工学部演習調査(再調査:4月)、B大学PBLチュートリアル調査(9月)、C大学PBLチュートリアル調査(比較用:10月)、D大学ワークショップ調査(6月と11月)を行い、それぞれについて繰り返しのデータセッションを行った。また、特別企画として国立国語学研究所の吉岡泰夫氏が管理している実際の医療面接場面データの見学会も行った。 3知見等 ビデオエスノグラフィーという新しい研究プログラムを用いて、データを分析するプロセスを確立した。医学部PBLチュートリアルに関しては、教育的介入のある特別な形が発見された。すなわち、学生の行う臨床推論に対し、チューターが、評価をあたえず、確認だけをしながら議論の展開を図ることが常態となっていることから、このPBLチュートリアルという場では、学生同士こそが、学生の提出した臨床推論を評価する立場を割り当てられていること、教師(チューター)はその作業のための進行管理を相互行為上の役割として分担しているだろうことがわかった。 都市研究の演習では、新しい都市についての学的指標づくりが課題として与えられていたが、その「新しさ」の水準を徹底したものとして考えようとすると、指標性が獲得しがたい、という二律背反性があるようだった。我々の観察したα班では、班内に指標性を維持しようとする成員と新しさを追求しようとする成員の両者が微妙な相互行為を行っていた。ビデオエスノグラフィーによって、その両者ともに、専門としての「都市工学」を志向していることがわかった。教育を単に結果でみるのではなく、プロセスを通して分析することの価値が発見された。このほか、D大学データからは、ワークショップのなかで、様々なカテゴリー(例:専業主婦)が、その性質を露わにしていることが見て取れた。
|
Research Products
(8 results)