2008 Fiscal Year Annual Research Report
オーストラリアと日本の自治体における業務記録管理システムの比較研究
Project/Area Number |
18330117
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Research Institution | Koyasan University |
Principal Investigator |
藤吉 圭二 Koyasan University, 文学部, 准教授 (70309532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 祥子 国立国語研究所, 情報資料部門, 研究員 (80342939)
前川 佳遠理 国文学研究資料館, 複合領域研究系, 助教 (30413917)
磯村 和人 中央大学, 大学院・国際会計研究科, 教授 (60241733)
水垣 源太郎 奈良女子大学, 文学部, 准教授 (10294274)
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Keywords | 記録管理 / アーカイブズ / アカウンタビリティ / ナレッジ・マネジメント / 稟議制 / 社会の再帰性 |
Research Abstract |
研究期間最終年度の今年度は、研究成果の発表と検証を進めた。当初は、行政機関の電子記録管理について、先進事例とされるオーストラリア・ヴィクトリア州のVERS: Victorian Electronic Records Strategyの有効性の検証と、その日本への導入可能性の検討をめざしていたが、研究の進展につれ「意思決定の責任の所在を証すものとしての記録」という位置づけが必ずしも日本の場合には妥当しないということが明らかになってきた。 これを踏まえ、記録管理のあり方を社会的、文化的な背景までさかのぼって検討することが必要との視点から、前年度までの研究成果をまとめる一方、海外でのアーカイブズ理解について確認すべく、国際学会で海外研究者の報告も交えてセッションを持ち、アーカイブズに関する社会学的研究の意義と方向性を確認することをめざした。2008年6月に開催した第38回国際社会学機構世界会議に研究組織から数名が参加し、ナレッジ・マネジメントと記録管理の関係、日本の行政機関の意思決定システムにおける記録管理の特質、近代社会のもつ再帰的性格とアーカイブズの役割というテーマで報告を行なうと共に、アメリカ、ノルウェーの研究者との研究交流を進めた。記録管理に関する国際標準(ISO 15489-1:2001)の制定に見られるように、公的機関だけでなく民間にも適切な記録管理が求められるようになってきているが、文化的背景から記録管理を捉え直すことの重要性も確認された。
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Research Products
(19 results)