Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
子安 増生 京都大学, 教育学研究科, 教授 (70115658)
道田 泰司 琉球大学, 教育学部, 助教授 (40209797)
沖林 洋平 広島大学, 教育学研究科, 助手 (20403595)
武田 明典 神田外語大学, 外国語学部, 助教授 (90364926)
松田 憲 京都大学, 教育学研究科, 研究員 (10422916)
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Research Abstract |
本研究の目的は,第1に,批判的思考態度が,認知過程に及ぼす影響と,および批判的思考遂行におけるコントロールメカニズムを明らかにすることである。本年度は,商品購買,メディアリテラシーなどの具体的領域をとりあげて,実験・調査を実施した。第2は,批判的思考教育プログラムを作成し,その教育実践の効果を検討することである。特に,本年度は,高校国語科教育,大学導入教育・専門教育・教職教育において実践を行い,その効果を検討した。 その成果は以下の4つに大きく分かれる。 第1に,批判的思考態度が商品評価に及ぼす効果を検討した。その結果,情報への探究心や客観性といった批判的思考態度とメディアへの接触態度が,商品考慮度の異なる商品の属性の処理と商品評価に異なる影響を及ぼすことが明らかになった。 第2に,日常的会話場面において,批判的発言の遂行に,会話目的に関わるメタ認知的判断と話題に対する共感度が働いていることを明らかにした。 第3に,批判的思考とメディアリテラシーの関係について,大学生を対象に調査研究を行った。その結果,批判的思考態度がメディアリテラシーに影響を及ぼし,主体的な情報収集行動を促進していることを明らかにした。また,児童・生徒に対する情報モラルに関する調査の結果,情報モラルは一般的な規範意識と関連を持つことを明らかにした。 第4に,批判的思考を育てる高校国語科教育,大学導入教育・専門教育・教職教育の実践研究を行った。批判的思考の重要な要素である反省的思考を促すリフレクションプラクティスと集団討論,質問力または批判的読解力向上のための介入プログラムなどによって,受講生の態度・能力,質問・討論の変化を量的・質的に明らかにした。
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