2008 Fiscal Year Annual Research Report
高等教育のマス化・ユニバーサル化と学生文化の変容に関する歴史社会学的研究
Project/Area Number |
18330181
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
竹内 洋 Kansai University, 文学部, 教授 (70067677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 恭子 京都大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (40159934)
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Keywords | 教育社会学 / 高等教育 / 学生文化 / 歴史社会学 / 文芸社会学 / 学生生活調査 |
Research Abstract |
平成20年度は、本研究プロジェクトの最終年度としてのまとめに向けた全体方針を決定し、これに基づいて各分野の研究を進めるとともに、研究会を開催して各分担者の研究経過を報告して研究者間での共有をはかった。本年度の主な成果は以下のとおりである。 1. 明治期から大正中期にかけての高等女学校同窓会誌にもとづいてデータを作成、分析し、高等女学校卒業生にとって、在学時につくり上げた友人関係や女学校文化、女学校卒という学歴が、卒業後にどのような意味や機能をもっていたのかについて、階層的視点を踏まえて考察を行なった。 2. 校友会や寄宿舎といった学生の「課外活動」について、その成立期の史料を洗い直し、学生の動きと大学側の関与や対応を丁寧に追うことで、学生の自治という視点から学生文化の源流を探った。 3. 戦後日本社会における知識人界と「学問」の変容についてそのダイナミズムを描き出した。 また、9月には「学生文化の変容と終焉-煩悶からレジャーヘ」というタイトルでシンポジウムを開催した。同シンポジウムは「学生文化の比較社会学的研究会」と合同で主催し、また、コメンテーターとして上智大学岩田弘三教授を招いた。このシンポジウムにより、現代の学生文化を中心としてこれまで教育社会学において明らかにされてきた実証的知見に依拠しつつ、比較文化研究および歴史社会学的研究、文芸社会学研究といった多様な分析視角から今後、学生文化研究を深化させてゆく意義と方向性が示された。
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Research Products
(17 results)