2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18340007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柏原 正樹 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (60027381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 哲二 京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (10027386)
中島 啓 京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (00201666)
谷崎 俊乏 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (70142916)
KIRILLOV Anatoli 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (30346035)
内藤 聡 筑波大学, 大学院数理物質科学, 助教授 (60252160)
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Keywords | 表現論 / 結晶基底 / 量子群 / D-加群 |
Research Abstract |
1.柏原は、アフィン旗多様体の連接層の同変K運輪を考察し、それが、同変直線束で張られる環の商環として書けることを示した。有限次元旗多様体の場合は、連接層の同変K理輪が同変直線束で張られる環と一致することは良く知られていた。しかし、無限次元の場合に対する結果は皆無であった。この結果により、無限次元の場合も商環に移ることによって類似の結果が成り立つことになる。これによって、シューベルト輪体に対応するグロタンディーク多項式が意味をもつ。これに関する研究は、これからの研究の重要課題として残されている。 2.Leclerc, Lascoux, Thibonは、A型ヘッケ環の既約表現の指標が、A型のアフィン量子群の大域基底をもちいて書き表されることを予想した。このLLT予想は、アフィンヘッケ環に拡張することにより、有木 進により1996年に肯定的に解決された。有木によれば、A型アフィンヘッケ環の有限次元表現のグロタンディーク群は、A型アフィン量子群の下半代数と同型となり、既約表現が、その大域基底と一致する。従って、既約表現は結晶基底によってラベルすることができる。しかし、他の型のアフィンヘッケ環については、何も知られていなかった。柏原は、榎本とともに、上記のLLTA理論をB型アフィンヘッケ環に拡張する予想を提出した。A型アフィンヘッケ環の場合のA型アフィン量子群の下半代数を、その対称行列からなるものに置き換える。これも結晶基底、大域基底をもち、既約表現が大域基底に対応する。この予想の解決は、結晶基底、大域基底の存在が証明できた事により、一歩前進した。その完全な解決は将来の課題である。 3.中島は、アフィン量子群の有限次元表現の研究を行い、普通Kirillov-Reshetikhin表現と呼ばれる有限次元表現について、その組合わせ論的性質、幾何学的構成法などについて進展を見た。
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