2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18340017
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤木 明 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (80027383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
満渕 俊樹 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (80116102)
臼井 三平 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (90117002)
並河 良典 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (80228080)
宮西 正宜 関西学院大学, 理工学部, 教授 (80025311)
坂根 由昌 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (00089872)
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Keywords | ツイスター空間 / 自己双対多様体 / 複素多様体 / 井上曲面 / 双エルミート構造 |
Research Abstract |
双曲型および放物型井上曲面上に双エルミート的な反自己双対構造を構成した.双エルミート的な反自己双対構造を許容するコンパクト複素曲面は,極小曲面に限れば,すでによく知られているhyperk.hler曲面の場合を除くと,Hopf曲面,放物型井上曲面,双曲型井上曲面のいずれかに限ることが知られていたが(Pontecorvo),そのような構造の存在は,今日までHopf曲面(容易)と放物型曲面の一部(LeBrun)に対してしか知られていなかった.われわれの構成では,特に,すべての双曲型井上曲面に対し,ちょうどm次元の実パラメータを持つ双エルミート的反自己双対構造の族をがえられ,このとき互いに双対になる双曲型井上曲面は互いに他の転移(transposition)であることが示される.放物型の場合は,構成された反自己双対構造は上記LeBrunのものと一致することがほぼ確からしい. 方法は,Joyceにより構成されたトーラス不変な自己双対構造に対するツイスター空間に対し,Donaldson-Friedmanの方法の一般化したものを適用するが,この構成で代表者が以前解明したJoyceツイスター空間の詳細な構造が本質的な役割を演ずる.特に,その中に含まれる不変初等因子の構造が重要で,これが最終的に変形より井上曲面を生み出すことになる.この際,不変初等因子の共役対の対を考えることによりはじめて変形の障害の消滅が得られるが,このことが生ずる反自己双対構造が双エルミート的であることの根拠となっている.双エルミート的であると否とを問わず双曲的井上曲面上の反自己双対エルミート構造としても上記は最初の例となっている.また構成のヴァリエーションを考えることにより,半(双曲)井上曲面の上にも反自己双対エルミート構造を構成することができた.
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Research Products
(5 results)