2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18340030
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中木 達幸 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 教授 (50172284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 克史 富山大学, 人間発達科学部, 教授 (20110231)
辻川 亨 宮崎大学, 工学部, 教授 (10258288)
福本 康秀 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (30192727)
服部 裕司 九州工業大学, 工学部, 准教授 (70261469)
坂上 貴之 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (10303603)
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Keywords | 渦点 / 渦層、渦輪、渦領域 / 2流体問題 / 滑輪の曲率不安定性 / 渦輪の曲率不安定性 / メルニコフ解析 / フラックス・フリー有限要素法 / 緩和振動 |
Research Abstract |
本年度の交付申請書記載の目的と計画に従い、「1.渦点問題、2,渦層、渦輪、渦領域問題、3.1〜2種類の流体問題」の3つに分けて実績の概要を説明する。 1.渦点問題については、7個の渦点問題の緩和振動を示し、その結果の奇数個の渦点への拡張の可能性を示した。また、極渦点を回転の効果とするハミルトン系としての渦点方程式の数理解析を行い、N点渦系における不変低次元力学系への縮約理論を用いて、問題を低次元系に縮約し、その系に対してカオス的軌道が存在することを示した。 2.渦層などの問題については、非圧縮流体中を一定速度で運動する定常渦流が「インパルス一定という拘束条件下での等循環面上のエネルギー極大・極小状である」ことを証明し、これを援用して、軸対称渦輪の進行速度の渦核-リング半径比についての高次補正項を導出した。また、渦輪の不安定性について直接数値シミュレーションにより調べ、計算手法の改良を行い、曲率不安定性による不安定化減少を非線形領域において捉えることに成功した。 3.1〜2種類の流体問題については、混ざらない非圧縮性の2流体問題に対する高い質量保存性を有するフラックス・フリー有限要素法について、近似解の誤差評価および収束性を考察した。収束性を示す際、不連続な粘性係数および密度を有する一般化Stokes方程式を考察し、これらの解の正則性の仮定の下で、フラックス・フリー有限要素法の収束性を示した。また、流体問題において頻繁に現れる移流項の性質を拡散項と対比して調べるため、drift-diffusionの一例である走化性モデル方程式について、その拡散係数が十分小さい場合に3次元空間での軸対称定常解の存在とその安定性を考察し、拡散係数を0に近づけたときの極限方程式を形式的に求め、主要項と摂動項を具体的に示した。
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