2008 Fiscal Year Annual Research Report
非リーマン幾何構造の変換群による大域解析と無限次元表現における分岐則の理論
Project/Area Number |
18340037
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 俊行 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 教授 (80201490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 利雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50011721)
関口 英子 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (50281134)
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Keywords | ユニタリ表現 / リー群 / 極小表現 / 無重複表現 / 不連続群 / 分岐則 / 幕零軌道 / 高木レクチャー |
Research Abstract |
ユニタリ表現の分岐則を調べることは、表現の理論の最も主要な問題の一つであり、新しい表現の構成や分析に強力な手法を与えるのみならず、保型形式の整数論や非可換調和解析の研究にも深く関わっている。今年度は、古典的な実解析におけるWeyl calculusを高次元化し、シンプレクティック群の無限次元表現の理論を援用することによって、その積の明示公式を決定した(第1論文)。さらに、対称性の高いマルティプライヤー作用素をすべて捕捉する代数的枠組みを与え、そのLp有界性や二次超曲面上の大域解析との関係を研究した(第2、第3論文)。 ユニタリ表現の中で根源的な対象である極小表現のシュレーディンガーモデルの研究を動機として、二次錐上においでフーリエ変換"に相当するユニタリ反転変換を導入し、その明示形を与え、その性質を詳細に研究した。この成果はアメリカ数学会のMemoirsの一冊として出版される予定である。 また、研究代表者の提唱した可視的作用の理論についての研究と執筆も進めた。ハーバード大学、エール大学、タフツ大学(アメリカ合衆国〉等の談話会では一般の数学者向けに紹介し、クロアチアでのSummer Schoolにおいては一週間にわたる連続講演を行った。さらに、Clerc教授退官記念研究集会やボアンカレ研究所における国際研究集会等においても一時間講演をおこない最新の成果を公表した。さらに、次年度以降の研究に向けた長期的な視野を広げ、また分野全体の活性化をはかうため、東京大学大学院・数理科学研究科において"Lie Groups and Representation Seminar"を定期的に主催し、近郊の専門家が研究交流する場を設けた。また、日本数学会と東京大学の支援を受けて、Kontsevich等を招聘した『高木レクチャー』を主催し、その予稿集を出版した。
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Research Products
(17 results)