2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18340048
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宍倉 光広 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (70192606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 哲生 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10127053)
辻井 正人 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (20251598)
谷口 雅彦 奈良女子大学, 理学部, 教授 (50108974)
國府 寛司 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50202057)
稲生 啓行 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (00362434)
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Keywords | 力学系 / 複素力学系 / ジュリア集合 / くりこみ / カオス / フラクタル / 分岐 / タイヒミュラー空間 |
Research Abstract |
宍倉と稲生は、-変数複素力学系の放物型不動点および近放物型不動点に関するくりこみの不変空間を決定し、タイヒミュラー空間の小林双曲性に結びつけて、回転数が小さい場合のくりこみの双曲性を証明し、その論文を完成させた。この結果は、Buff-Cheritatにより既に応用され、長年の懸案であった面積正をもつジュリア集合(二次多項式)の構成が得られている。また、宍倉はこのくりこみが応用できるタイプの関数芽に関する剛性を証明し、これらの関数芽の間の共役写像が臨界点の軌道で微分可能にになることを示した。この剛性のために、擬等角写像の一点での微分可能性の問題に取り組み、従来の証明よりも簡明な証明を得るとともに、ベルトラミ微分の可積分性に関する仮定も弱められることを示した。 辻井は、円周上の倍角写像をベースとする懸垂半流について、その相関関数の減衰のための必要条件を、力学系的ゼータ関数や推移作用素の得た。研究を通して調べた。また、Baladiとの共同研究で、倍角写像の上の半直積写像に関する推移写像について、そのスペクトラムをうまくとらえる非等方祖母レフ空間について研究した。 國府は、Gameiro,Gedeon,Kaliesらとの共同研究により、速い系と遅い系をカップルさせた形になる捕食者・非捕食者系について、その進行波解を表す微分方程式系について研究し、この系に生ずる位相的馬蹄型力学系の存在を証明した。 荒井は、複素エノン写像に関して、代数的位相幾何学を用いたコンレー指数の理論と精度保証付き数値解析を用いて、系が双曲型になるパラメータ集合を計算し、従来厳密に知られていなかった新しいタイプのパラメータ領域を発見するとともに、この領域でパラメータのループを周回するときのジュリア集合上のホロノミーを決定し、非自明なホロノミーが存在すること(従って、ループ自体が非自明なこと)を証明した。
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