2008 Fiscal Year Annual Research Report
光ファイバーを用いた高効率高分散分光による太陽系外惑星探査
Project/Area Number |
18340055
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
吉田 道利 National Astronomical Observatory of Japan, 岡山天体物理観測所, 准教授 (90270446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉浦 秀行 国立天文台, 岡山天体物理観測所, 助教 (00211730)
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Keywords | 惑星探査 / 光学赤外線天文学 / 宇宙物理学 / 惑星起源・進化 / 光ファイバー |
Research Abstract |
平成20年度は、ファイバー機構のカセグレンユニットを製作し、調整および性能試験を行った。カセグレンユニットは、筐体、光ファイバー切替部、ガイダー、較正光源入射部、ヨードセル部、制御ボックスから構成される。光ファイバー切替部は3つのファイバー経路を切り替えることができ、そのうち一つは精密高速ガイドができるようになっている。ガイダーは、カセグレン焦点部を等倍もしくは1/3倍で観察し、望遠鏡にフィードバックをかける。また、「クーデ焦点ファイバー機構」の設計を行い、分光器に効率よくファイバーからの出射光を導入するためのイメージスライサーを設計・製作した。こうした各種実験・製作のための実験環境の整備も適宜行った。平成20年度末には、188cm望遠鏡のカセグレン焦点にカセグレンユニットを装着して、光軸調整および天体導入の試験を行うことに成功した。以上より、ほぼ研究計画当初の予定していたハードウェア製作を終了した。 研究面では、G型巨星周りの系外惑星探査がさらに進み、巨星周りの惑星を新たに7個発見するという大きな成果を挙げることができた。これで、これまでわれわれのチームで発見していた3個とあわせて、全部で10個の惑星を巨星周りに発見したことになる。これまでに巨星周りで発見された惑星の数は20個であり、われわれのチームはその半分を見つけたことになり、単独チームとしては世界で最も多くの惑星を巨星周りに発見している。さらに、巨星では、太陽型星周りで数多く発見されているような軌道半径の非常に小さな惑星が存在せず、また、惑星の質量も大きな傾向があるなど、興味深い結果も得た。
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Research Products
(25 results)