2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18340086
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
佐藤 政行 Kanazawa University, 自然科学研究科, 准教授 (00266925)
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Keywords | 非線形局在励起 / テラヘルツ分光 |
Research Abstract |
固体中の格子振動による非線形局在励起を観測することを目的としている。格子振動は遠赤外域(テラヘルツ領域)にある。誘電体などで光学モードの周波数がフォノンバンドの底にくる試料では、光学モードを強励起することで非線形局在励起が生成されると期待される。誘電体など相転移近傍で非線形局在励起が核生成に関与している可能性がある。また量子常誘電体は量子揺らぎのため相転移を起こさないが、非線形局在励起の形で局所的に揺らぎが生成されている可能性もある。 これまで、3次元固体内に生成される局在励起は実空間では観測困難であるので、周波数スペクトル中に存在を確認する方法が取られてきた。具体的には、4波混合スペクトル中にサイドバンド共鳴構造を観測する。これを目指して、テラヘルツ非線形分光装置を作成した。炭酸ガスレーザー励起の遠赤外レーザーを2組、チタンサファイアレーザーからの超短パルス光を用いたテラヘルツ分光器を用意した。高強度パルス遠赤外レーザーを用いて試料を励起し、非線形状態を生成する。別のCW遠赤外レーザーにて生成した非線形励起を励起し続ける。この非線形定常状態をテラヘルツ分光器を用いてスペクトル観測する。 解析の結果、非線形4波混合スペクトルを得るためにはチタンサファイアレーザーの繰り返し周波数の整数倍を、CW遠赤外レーザーに同期させなければスペクトルが得られないことが判明した。このため、キットより自作したチタンサファイアレーザーの光路長を変化させて繰り返し周波数を遠赤外レーザーに同期させるように、テラヘルツ分光装置を改造した。
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