2007 Fiscal Year Annual Research Report
三角格子希土類鉄複酸化物の電荷秩序強誘電性とその融解と非線形現象
Project/Area Number |
18340094
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
池田 直 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (00222894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 茂生 大阪府立大学, 理学系研究科, 教授 (20251613)
吉井 賢資 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 副主任研究員 (90354985)
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Keywords | 電子誘電体 / RFe204 / 三角格子 / 電荷秩序 / 電荷フラストレーション |
Research Abstract |
RFe204は電子の密度分布で実現する誘電体(電子誘電体)であり既知の誘電体とその発現原理が異なる。またその特性が室温に置いても実現しているため、応用面においても新機能発現の期待が持たれている。本研究は発見されたばかりの物性を精査するため、RFe204試料について化学当量比と酸素欠損量をパラメータとして調整しながら試料合成を行い,強誘電特性発現条件を明確化し、さらに電子秩序強誘電性崩壊条件近傍にある非線形電気伝導特性を探索・解明することを研究実施目標に定めた。 本年度の研究の結果高品質なRFe204の単結晶作成方法が開拓された。単結晶を作成するための溶融帯或法の様々な条件が解明され発見された。新たに開拓した手法で作成された単結晶は,電気抵抗率が著しく高くなることを発見した。 さらにまた"不完全な電子強誘電性"とも言うべき電子相が存在していることを確かめた。この電子相は,電気電導率が非線形特性を示し,さらに結晶方位に対して異方的であることを発見した。さらに可視光照射に伴い電気電導率が向上し、同時に誘電率が低下する現象を発見した。 室温における光照射に伴う誘電性と電導性の異常応答 今までに見いだされている物質と光の相互作用の理解は,イオンに存在する核に束縛された一つの電子が,光から運動エネルギーを受け渡され,その束縛順位から開放される過程として記述されている。一方ここに発見された現象は,本来金属状態にある電子系が電子相関効果で形成する極性な電子集団の光応答であり、新現象である 電荷秩序状態の非線形融解現象の異方性 本物質の電流電圧特性は非線形であり,I-V特性カーブがヒステリシスループを描くことを見いだした。この現象の起源は,物質の中に内在する電気集団が電流により融解し,また自発的に電気分極を持つ状態に再凝縮するためにおこる。これは室温にみられる集団電子の融解と再凝集の新しい現象である。
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Research Products
(27 results)
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[Journal Article] NaV205 の逐次電荷不均化による悪魔の花-悪魔の花を咲かせるIsingスピンの詳細と競合する相互作用の理解-2008
Author(s)
大和田謙二, 藤井保彦, 村岡次郎, 中尾裕則, 村上洋一, 野田幸男, 大隅寛幸, 池田直, 菖蒲敬久, 礒部正彦, 上田寛
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Journal Title
Peer Reviewed
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[Presentation] RFe204の電場応答12007
Author(s)
池田直, 横田祐輔, 道内尊正, 森茂生, 吉井賢資
Organizer
日本物理学会 第62回年次大会
Place of Presentation
北海道大学
Year and Date
2007-09-24
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
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[Presentation] 時間分割2次元ディテクタを用いたθ-(BEDT-TTF)2CsZn(SCN)4の電流下X線回折実験2007
Author(s)
渡邉真史, 山本健一郎.伊藤崇芳, 花咲徳亮, 池田直, 野上由夫, 豊川秀訓, 野田幸男, 稲田太一, 須子友博, 寺崎一郎.森初果, 森健彦
Organizer
日本物理学会 第62回年次大会
Place of Presentation
北海道大学
Year and Date
2007-09-21
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
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[Presentation] θ-(BEDT-TTF)2CsZn(SCN)4の非線形伝導と巨大格子変形2007
Author(s)
渡邉真史, 山本健一郎, 中島悠策, 伊藤崇芳, 田辺誠, 花咲徳亮, 池田直, 野上由夫, 豊川秀訓, 野田幸男, 寺崎一郎, 澤野文章, 須子友博, 森初果, 森健彦
Organizer
日本物理学会 春季大会
Place of Presentation
鹿児島大学
Year and Date
2007-03-19
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
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