2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18340105
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
町田 一成 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (50025491)
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Keywords | Bogoiubov-de Gennes方程式 / 準古典Eilenberger方程式 / パウリ常磁性効果 / 超伝導体 |
Research Abstract |
3年間にわたる当該研究の中間の年にあたる本年度においては初年度に積み上げた予備的な計算結果、即ちBogoiubov-de Gennes方程式と準古典Eilenberger方程式の数値解析の計算コードを活用して計算を次々と実行して有意義な結果をいくつもの系について得ることできた。その中で最も注目すべき結果をここに記すことにする。超伝導体におけるパウリ常磁性効果の研究。磁場下での超伝導体は一般に混合状態として知られる磁束格子状態をとる。強相関電子系のように相互作用が強い超伝導体には通常ではあまり効かないパウリ効果が顔を出す。この効果を上記の2つの方程式を数値解析することによって詳しく調べた。従来この種の計算はなされていなかったので、この計算によって従来見過ごされていた理論的な事項が明確になった。渦芯の空間構造のパウリ効果による変形は中でも特筆されるべき事柄である。パウリ効果によって渦芯周辺の磁場が異常に増大し、芯の半径が拡大する現象はその後の中性子回折実験によって実証された。 当年度の研究で得た知見を生かして最終年においては超流動発現についてのさらなる研究を推進する予定である。
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