2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18340111
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
櫻井 吉晴 Japan Synchrotron Radiation Research Institute, 利用研究促進部門, 副主席研究員 (90205815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 真義 財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 副主幹研究員 (10344392)
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Keywords | コンプトン散乱 / 強相関物質 / 軌道状態 / フェルミ面 |
Research Abstract |
本研究はコンプトン散乱によるフェルミ面直接観測法の開発とその応用をテーマにしている。平成21年度は最終年度にあたり、開発した手法の応用を中心に実施した。具体的には、 (1)電子ドープ系高温超伝導体Nd_<2-x>Ce_xCuO_4の測定を行い、電子ドープによる電子運動量密度の変化とフェルミ面形状の変化を観察した。その結果、電子ドープが進むにしたがって、Cu-3d軌道を反映した変化が観測され、フェルミ面は高ドープ領域でホールドープ系のオーバードープ領域と同じ形状になることが確認された。 (2)ホールドープ系高温超伝導体La_<2-x>Sr_xCuO_4の実験結果の解釈をNortheastern大のグループと行い、分子軌道モデルと第一原理計算の結果から、O-2p軌道をもとにした新しい電子状態モデルを考案した。現在、この結果を論文にまとめている。 (3)Fe系超伝導体Ba(Fe,Co)_2As_2の測定とCeRu_2Si_2の測定を行った。現在、データ解析が進行中である。 また、上記の実験と並行して、実験データから得られる電子運動量密度の誤差を評価する方法の開発やフェルミ面形状を導き出す方法の考案を行った。後者については、ホールドープ系高温超伝導体のオーバードドープ試料の結果に応用し、フェルミ面形状を導き出すことに成功した。この結果は現在論文として投稿する予定である。
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[Journal Article] Bulk electronic structure of optimally doped Ba(Fe_<1-x>Co_x)_2As_22010
Author(s)
C.Utefeld, J.Laverock, T.D.Haynes, S.B.Digdale, J.A.Duffy, M.W.Butchers, J.W.Taylor, S.R.Giblin, J.G.Analytis, J.-H.Chu, I.R.Fisher, M.Itou, Y.Sakurai
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Journal Title
Phys.Rev.B 81
Pages: 064509
Peer Reviewed
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