2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18340119
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
白田 耕藏 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 教授 (80164771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PHAM Le Kien 電気通信大学, 電気通信学部, 准教授 (50377024)
森永 実 電気通信大学, レーザー新世代研究センター, 助教 (60230140)
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Keywords | ナノファイバー / 単一原子 / 単一光子 / 量子光学 / 原子操作 / 光子相関 |
Research Abstract |
ナノ光ファイバー表面の近接場内に実現される量子非線形光学過程の開発を継続した。とりわけ、ナノ光ファイバー表面の超低温セシウム原子集団について、ファイバーの伝播モードに放出される自然放出光の光子相関を系統的に調べ、かつ単一光子発生に向けての準備を行った。 光子相関については、原子集団がナノファイバーの一方の側に放出する光子についてのHanbury-Brown&Twiss配置での計測(片側相関)と共に、ナノファイバーの両側に放出する光子についての相関計測(両側相関)を行った。原子が1個の場合は片側相関も両側相関も同等にゼロ遅延時間でのアンチバンチングの振舞いを示す。しかし、原子数を2個、3個と増やすにつれて、片側相関ではアンチバンチングは不明瞭になり、ついにはゼロ遅延時間でバンチングの振舞いを示すが、両側相関ではアンチバンチングが明瞭に観測され続ける。この効果を多数の原子が単一の空間モードに光子を放出したときに生ずる干渉効果として説明した。片側相関では多数の原子による光波の一次の干渉が現れ、それがゼロ遅延時間で最大値を与える。この効果は、原子数が多くなるにつれて顕著になる。一方、両側干渉では一次の干渉は多数の原子の乱雑な分布のため消失し、単一原子による光子相関のアンチバンチングが常に観測される。通常の光子相関の実験では単一空間モードでの観測は困難なため、このような効果は観測されない。原子数を1個から漸次に変化させ原子の自然放出を単一空間モードで定量的に観測したのは本研究が最初の例である。 また、単一光子発生については、ナノファイバーへの光のアクセスが自在にでき得るナノファイバーインストールのガラスセル型MOTシステムを作成した。ナノファイバー近傍の原子集団に対し電磁誘起透明化の実験を行いファイバー伝播モードへの単一光子放出を行うスキームの基本的な指針を確立した。
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