2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18340119
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
白田 耕蔵 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 教授 (80164771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PHAM Le Kien 電気通信大学, 電気通信学部, 准教授 (50377024)
森永 実 電気通信大学, レーザー新世代研究センター, 助教 (60230140)
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Keywords | ナノ光ファイバー / 近接場 / 単一原子 / 自然放出制御 / 量子光学 / 光子相関 / レーザー冷却原子 / 原子表面相互作用 |
Research Abstract |
ナノ光ファイバーとレーザー冷却原子により実現される量子非線形光学過程ではナノファイバー表面近傍の原子のみが作業媒質となるので、原子とナノファイバー表面の相互作用が必然的に研究/評価の対象に含まれることになる。一方、ナノ光ファイバーにより可能となる小数原子の定量的分光法は、原子と表面との相互作用に従来にない高精度情報を提供するものとなり、それ自身が原子物理とメゾスコーピック系の物理を橋渡しする役割を果たす可能性がある。本年度において、ナノ光ファイバーとレーザー冷却原子系の原子/表面相互作用を実験的に定量的に把握した。結果は以下のようにまとめられる。キー因子はナノファイバーのフォノンの振る舞いである。 清浄表面では冷却原子と表面フォノンの相互作用は無視できるが、冷却原子と混在する室温原子はフォノンと非弾性散乱しナノファイバー表面に吸着しナノ粒子群を形成する。ナノ粒子ではフォノンモード密度がバルク固体に比べ大きく増強されるので、結果として冷却原子も表面に吸着する。この吸着過程は冷却原子のデコヒーレンス過程となり量子非線形光学研究にとっては大きな障害となる。しかし我々は、このナノ粒子群は冷却原子をイオン化することにより発生する電子によりクリーンアップすることができ、量子非線形光学に適応する清浄表面が再現性良く準備できることを見出した。 また、表面近傍での原子の振る舞いを調べるため、小数原子の蛍光スペクトルを観測する単一光子検出ヘテロダイン分光法を確立した。更に、冷却原子系で確立した方法を量子ドット系に拡張する試みも行った。量子ドット(CdSeナノ結晶)をナノファイバー上に担持し、少数ドットが観測できることを示した。原子系で開発した観測操作法を適用しドット数を制御して定量的な研究を行った。
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Research Products
(25 results)