2007 Fiscal Year Annual Research Report
ベリリウム10と炭素14を用いた最終退氷期の太陽活動変遷史に関する研究
Project/Area Number |
18340153
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
堀内 一穂 Hirosaki University, 大学院・理工学研究科, 助教 (00344614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 浩之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (60313194)
柴田 康行 (独)国立環境研究所, 化学環境研究領域, 領域長 (80154251)
米田 穣 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (30280712)
箕浦 幸治 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10133852)
大山 幹成 東北大学, 学術資源研究公開センター, 助教 (00361064)
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Keywords | 地質学 / 地球化学 / 第四紀学 / 気候変動 / 宇宙線 / 古木年輪 / 堆積物 / 氷床コア |
Research Abstract |
前年度に引き続いて,水月湖の年縞堆積物についてベリリウム10の分析を行った.その結果,1万1千年前から1万5千年前にて,当初目的である時間分解能が数十年のベリリウム10記録が得られた.これを,水月湖の炭素14記録や他の炭素14記録と比較した結果,各記録間で大まかな傾向に明確な類似性が認められたものの,太陽活動変動に由来すると期待される短周期の変動は,必ずしも一致しなかった.そこで,太陽活動変動を抽出する際に妨害となる降水や堆積等の地域的効果を定量的に評価するために,最終退氷期におけるドームふじアイスコアのベリリウム10分析を行った.ドームふじアイスコアのベリリウム10には地域的影響がほとんど刻まれておらず,太陽活動に由来する生成率信号が確実に検出できることが,過去1000年間を対象にした研究で判明している.ドームふじアイスコアから得られた記録と水月湖のベリリウム10記録との比較は,現在進行中である. 十和田八戸テフラから産出した1万5千5百年前の2本の古木年輪について,単年輪ごとに4‰の精度での炭素14分析を,それぞれ80年輪分行った.2本の古木の炭素14変動曲線は相互に良く一致し,それぞれに太陽活動に由来すると期待される10年規模の変動が認められた.またこれらの古木と同時に死亡したより年輪数の多い(368年輪)新たな古木の採取に成功し,さらに長い年代範囲にて炭素14の分析を行うことが可能となった.炭素14分析をより促進するために,弘前大学に設置された炭素14前処理装置とグラファイト作成用の電気炉による試料調整を開始した.弘前大学で調整された試料は,地理的近傍にある日本原子力研究開発機構(むつ市)のタンデム加速器により,炭素14分析が行われることとなった.
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Research Products
(13 results)