2006 Fiscal Year Annual Research Report
日本列島における過去40万年間の古気候変動の高精度復元
Project/Area Number |
18340157
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
公文 富士夫 信州大学, 理学部, 教授 (60161717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 康幸 信州大学, 理学部, 教授 (70200144)
福島 和夫 信州大学, 理学部, 教授 (20106602)
石田 桂 信州大学, 理学部, 助手 (80402098)
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Keywords | 古気候変動 / 湖沼堆積物 / 後期更新世 / 第四紀 / 有機炭素含有量 / 中期更新世 / 指標テフラ / 下北沖コア |
Research Abstract |
岩相および有機炭素含有量を中心とした記載と解析の結果を地質学雑誌に発表した.100層近くあるテフラの記載と同定を完了し,第四紀研究誌に投稿し,受理された.花粉分析を進め,全層準(4万年前〜16万年前)の花粉組成が詳細に明らかにして学術誌への投稿の準備を行った.5万年前〜12万年前の珪藻の量を反映した生物源シリカ量の変動を数百年の時間精度で明らかにした.4万年前〜16万年前の堆積物の粒度の変遷を解明し,粗粒粒子集団が降水量の変動を表す可能性を見いだした.H.18年度に購入した乾式密度計を活用して,約5cm毎に高野層の全層準の粒子密度を測定した.また,これまで採取できていなかった高野層最上部層についての新たなボーリング掘削を行った.以上の結果,約4万年前〜16万年前の気候変動をほぼ明らかにすることができ,第17回国際堆積学会(福岡,2006年)等で学術講演をおこなった. 一方,この成果を世界的な気候変動と対比するために,下北沖で採取された深海底コアについて高分解能で有機炭素量・窒素量の測定を行った.現時点では約5万年前から12万年前にかけて約50年の時間精度での分析結果を出している.下北沖コアについてはテフラの同定が不十分であり,テフラを介した比較は翌年度に課題が持ち越された. より古い年代の気候変動を解明するために,約30万年前〜40万年前に当たると考えられる琵琶湖1400mボーリング試料の一部分(深度200〜250m)についての予察的な検討を行った.また,中部九州に分布する中部更新統(芳野層,阿蘇野層,野上層)について野外調査を行い,気候変動を解明する資料としての有効性を検討した.現時点では,熊本市北部に分布する芳野層がもっとも有望であると判断し,学術ボーリングの準備を進めることとした.併行して貝形虫を温度指標に活用するための基礎的研究を進めた.
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Natural and anthropogenic aquatic environmental changes recontructed by paleolimnological analyses in Lake Kitaura, central Japan2007
Author(s)
Naya, T., Tanimura, Y., Kanai, Y., Kumon, F., Amano, K.
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Journal Title
Jour. Paleolimnology (印刷中)
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