2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18350036
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
川口 博之 分子科学研究所, 生命・錯体分子科学研究領域, 准教授 (20262850)
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Keywords | ヒドリド錯体 / 多座配位子 / キレート錯体 / カルベン錯体 |
Research Abstract |
電子欠損型ヒドリド錯体の前駆体として、2つのフェノキシド基のオルト位をメチレン鎖で連結した2座フェノキシド配位子2,2'-CH_2(6-^tBu-4-Me-C_6H_2O)_2^2-([OO]^<2->)をもつタンタル錯体の合成を行った。TaCl_5とH_2[OO]を反応させると[OO]TaCl_3が定量的に得られる。[OO]TaCl_3のクロリド配位子は、種々のGrignard試薬と反応させることにより、アルキル配位子に置換が可能である。例えば、3倍当量のMeMgBrと反応させるとメチル錯体[OO]TaMe_3が高収率で得られる。メチル錯体は熱的に不安定であり、錯体のトルエン溶液を80℃で3日間加熱すると、[OO]配位子のメチレン架橋部位でCH活1生化進行し、[OC^HO]TaMe_2を生成する。新しい[OC^HO]配位子は、中心金属に2つの酸素原子と1つの炭素原子で3座配位子として結合している。次に、[OC^HO]TaMe_2に[Ph_3C][B(C_6F_5)_4]を作用させると、[OC^HO]配位子のメチン炭素からヒドリドの引き抜き反応が進行し、カチオン性錯体{[OCO]TaMe_2}[B(C_6F_5)_4]が得られた。[OCO]配位子は2つのフェノキシド基をカルベン炭素が連結した興味深いハイブリット型配位子であり、2つの酸素と1つのカルベン炭素で3座配位子としてタンタル金属に結合している。ヒドリド錯体の合成を目指し、上記の反応で得られた一連のタンタル-アルキル錯体と水素ガスとの反応を行ったが、ヒドリド錯体の生成は観測されなかった。
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[Journal Article] Mono{hydrotris(mercaptoimidazolyl)borato} Complexes of Manganese(II), Iron(II), Cobalt(II), and Nickel(II) Halides2006
Author(s)
S.Senda, Y Ohki, T.Hirayama, D.Toda, J.-L.Chen, T.Matsumoto, H.Kawaguchi, K.Tatsumi
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Journal Title
Inorg. Chem 45
Pages: 9914-9925
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