2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規精密設計不斉触媒を用いる還元型炭素骨格構築法の総合的展開
Project/Area Number |
18350049
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西山 久雄 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 教授 (40135421)
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Keywords | ロジウム / 有機金属 / 配位子 / 炭素炭素結合生成 / 不斉合成 |
Research Abstract |
本研究では、新しい遷移金属還元種を鍵とする、大量合成に耐えうる実践的な力量ある炭素分子骨格構築法ならびに官能基変換法を、オリジナル修飾剤と後周期遷移金属を用いて開発することを目標にして、中間の金属還元種を用いて不飽和結合をヒドロメタル化してはじまる一連の還元・アルキル化を中心に炭素骨格を合成する高原子効率な方法の創出を総合的に研究してきた。これまで、触媒的還元アルドール反応、触媒的還元向山アルドール反応、触媒的還元マニッヒ反応、ならびにそれらの分子内反応などを検討して、ジアステレオならびにエナンチオ選択的に触媒的アルドール反応を起こすことに成功し、触媒の合成法の改良ならびに電子効果を期待した置換誘導体の合成を実施し、実際の反応に展開することができた。 基本原料である、安価なイソフタル酸原料にして天然アミノ酸を原料として得られるアミノアルコール基を導入して、オキサゾリン環を有するN,C,N配位子(BOP)を合成した。また、比較N,N,N型配位子(BOPA)は、市販のビスー2-カルボキシフェニルアミンを原料にしてオキサゾリン基を導入する方法で合成する。また、4,6-ジメチルイソフタル酸からベンゼン環部にメチル基を有する誘導体を合成した。さらに、それぞれオキサゾリン部分はイソプロピル、ブチル、フェニル、ベンジル等の官能基を有する誘導体を合成した。合成したN,C,N型多様性修飾剤と種々無機金属塩との反応を検討し、上記金属錯体を得た。例えば塩化ロジウム、塩化ルテニウム、塩化イリジウムである。特に塩化ロジウム錯体形成能あるいはNMRおよびX線結晶解析を行った。ロジウム錯体では、アセチレン類のC-H活性化に成功し、その機構を明らかにした。また、鉄錯体では不斉ヒドリシリル化に成功した。
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