2006 Fiscal Year Annual Research Report
高分子コロイド分散液の沈降散逸パターンの外場応答性
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18350057
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
大久保 恒夫 山形大学, 工学部, 客員教授 (70026194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 剣 山形大学, 工学部, 助手 (60333994)
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Keywords | 沈降散逸パターン / 対流散逸パターン / 乾燥散逸パターン / 外場応答性 / 重力対流 / マランゴニ対流 / 電場応答性 / コロイダルシリカ粒子 |
Research Abstract |
次の項目について所期の成果を得た。 (1)各種コロイド試料の超脱塩操作:各種粒径のポリスチレンメタクリレート粒子の脱塩試料の補充を行った。ベントナイト粒子に対しても一部ではあるが脱塩試料の補充を行った。 (2)温度および湿度が制御された条件下での対流・沈降・乾燥散逸パターンの観察およびパターン解析:カバーガラス、シャーレ、時計皿、お茶碗などの容器内での一連の対流・沈降・乾燥パターンを一定温度、一定湿度中で測定し温度と湿度のパターンに及ぼす影響を明確にした。現在、論文発表の準備中である。 (3)2種球粒子混合系における対流・沈降・乾燥散逸パターンの観察および解析:粒径が1.2μm,550nm,305nmおよび160nmの4種類のコロイダルシリカ粒子を用いた、2成分および3成分混合系でのパターン形成を詳細に検討した。各成分の量比や、大きさ、形の違いによってパターンには系統的な変化を生ずることが明白になった。将来、沈降および乾燥散逸パターン法による粒子解析システムの創生が可能になった。 (4)対流・沈降・乾燥散逸構造に対する粒子濃度および塩効果の観察および解析:粒子濃度や添加塩による系統的なパターン変化が調査された。論文発表も行うことが出来た。 (5)対流・沈降・乾燥散逸構造に対するガラスシャーレ底面の傾斜角の影響観察および解析:コロイダルシリカ粒子やお茶のコロイド粒子がセルの傾き角(0度から45度)によって変化する様子を観察した。粒子の形によって、円形から楕円体形へのパターン変化が大きな影響を受けることが明らかになった。粒子の拡散が球形ほど容易で異方形になるにつれて回転、並進運動ともに制限を受けるためにパターンが変化することが明白になった。成果の一部は論文発表された。 (6)コロイド粒子のエタノール分散液における対流・沈降・乾燥散逸パターンの観察および解析:水に比べて沸点が低く、粘度も低いエタノール中では重力対流が激しく、これがパターンに大きく影響することが判明した。本年度中に論文発表も完了した。 当初予定していた、流動場の影響やコンピュータシミュレーション研究についてはまだ成果を得ていない。平成19年度に完成させる予定である。
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Research Products
(7 results)