2006 Fiscal Year Annual Research Report
電気エネルギ-貯蔵のためのカーボンハイブリッドの創製
Project/Area Number |
18350102
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
金野 英隆 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (50002316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安住 和久 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (60175875)
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Keywords | リチウムイオン二次電池 / 電気化学キャパシター / 電極材料 / 負極材料 / 膨張黒鉛 / 珪素系ガラス状化合物 / 含水酸化マンガン(IV) / 窒素ドープ炭素材料 |
Research Abstract |
1.Si-C-Oガラス状化合物-カーボンハイブリッド:サイズの異なる膨張黒鉛に2種類の液状シリコーンを含浸し,大気中で硬化後,アルゴン中で熱分解してリチウムイオン二次電池の負極材料を合成した。電極の可逆容量は膨張黒鉛のサイズにはあまり影響を受けなかったが,シリコーンの含浸量を減らすと増加することがわかった。材料のXRD,NMRによる検討およびサイクリックボルタモグラムの形状から,Liイオンの挿入脱離が金属Siとの合金化機構による可能性は非常に低いということは判明したが,明確な機構は不明のままである。第1サイクルの不可逆容量の低減策として,サイクル試験前に試料極と対極を30分間短絡すると第1サイクルの効率が88%まで上昇し,短絡時間が長くても短くても性能があまり向上しないことを明らかにした。 2.C-N系およびB-C-N系コンポジット:ポリアクリルアミドとMgOから比表面積250〜450m^2/gのC-N系材料を,また,N-メチルグルカミン-ホウ酸錯体から比表面積250〜580m^2/gのB-C-N系材料を合成した。硫酸溶液中でキャパシターとしての特性を評価した結果,C-N系では180F/g,B-C-N系では250F/gの最大電気容量が得られた。両方とも,電気容量は比表面積と無関係で,ヘテロ原子による擬似容量であることが明らかとなった。特に,ホウ素の効果についてはこれまで報告が無く,さらに検討を続ける計画である。 3.含水酸化マンガン(IV)-カーボンハイブリッド:KMnO_4とMn(OCOCH_3)_2水溶液を用いてサイズの異なる膨張黒鉛および人造黒鉛微粒子上に含水酸化マンガン(IV)微粒子を分散した。これを電極として中性塩水溶液中で電気容量を測定した結果,サイズの大きい膨張黒鉛の場合に充放電特性が最も良くなり,この系の導電剤としては微粒子より薄片状黒鉛の方が適していることを明らかにした。
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