2007 Fiscal Year Annual Research Report
高分子の共連続構造とナノカーボンのパーコレーションを利用した電磁波吸収体の創製
Project/Area Number |
18350119
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 雅興 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 教授 (50115870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 克史 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (50207081)
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Keywords | ナノカーボン / パーコレーション / 共連続構造 / 電磁波吸収体 / 導電性 / 高分子ブレンド / 分散複合系 / 電場配列 |
Research Abstract |
高度通信情報化にともない、放射電磁波の増大や利用周波数領域の多様化が起こり、電磁干渉による電子機器の誤作動が大きな問題となっている。本研究の目的は1GHz以上の帯域における吸収性能に優れた電磁波吸収体を創製することである。高分子ブレンドの相分離構造や高分子架橋網目の網目サイズを利用して、ナノカーボン粒子のネットワーク構造を作り、導電性と電磁波吸収性能を飛躍的に高めた。ナノカーボンとして鎖状構造をとりやすいアセチレンブラック(AB)とカーボンナノファイバー(VGCF:気相成長炭素繊維)を用いた。 1.ABは凝集クラスターが種々の形をとりフラクタル構造になりにくいが、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)中では、長時間アニールでパーレーション閾値を2.4vol%と驚異的に低くできる。シリコンゴムでは、網目サイズをABの一次粒子の直径程度にすることでABの分散制御が可能となる。いずれの系においても導電性の閾値を少し越えた充填量で、95%以上の高い電磁波吸収性能が得られる。 2.高密度ポリエチレン(HDPE)/ポリプロピレンの共連続構造中で、VGCFはHDPE中に偏在し閾値が低下、導電性が増大する。PMMAにごく少量のHDPEを加えると、HDPEの吸着がVGCFの連結に寄与し、導電性、電磁波吸収性能が飛躍的に向上する(95%以上の吸収率)。 3.反応性シリコン/VGCF分散複合系について、電場を印加し光学顕微鏡観察を行い誘電性の時間変化を測定した。VGCFの電場方向への配列傾向とともに、誘電率・誘電損率が増加する結果が得られた。
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Research Products
(47 results)