2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360020
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
平山 博之 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科(研究院), 教授 (60271582)
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Keywords | 量子閉じ込め / 2次元電子系 / 表面 / 走査トンネル顕微鏡 / 数値計算 |
Research Abstract |
本研究の目的は、i)STM探針を用いた表面への閉曲線の書き込みなどによる人工原子の実現をSTMをべースとした分光(STS)とdI/dVマッピングにより、閉曲線内に閉じ込められた2次元電子の量子準位とその固有波動関数の実空間分布を観測することにより確認すること、ii)人工原子デザインのために任意の閉曲線内に閉じ込められた2次元電子状態の数値計算ソルバーを開発すること、iii)電子の量子状態への閉じ込めを支配する閉じ込めポテンシャルを、正確に評価する方法を確立することである。 本年度は、 1) √<3>x√<3->Ag表面上の点欠陥の散乱ポテンシャルをその周囲の電子定在波パターンから評価する際に、従来使われていたS波近似の適用できる散乱体のサイズや電子エネルギーを明らかにし、さらにS波近似が適用できない場合により高次の部分波を含むS+P波およびS+P+D波近似を適用する方法を開発した。また実際に開発したS+P+D波近似により、S波近似が適用できないサイズの欠陥の散乱ポテンシャルを数値的に評価した。 2) Si(111)表面にエピタキシャル成長させたナノメートル厚さのAg(111)超薄膜表面に核形成したナノサイズ島中への表面2次元電子系の閉じ込めを、STMをベースとしたdI/dV観察およびSTS観察により明らかにした。
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