2006 Fiscal Year Annual Research Report
コヒーレンスホログラフィー:コヒーレンス場の新ホログラフィー技術の基礎と応用
Project/Area Number |
18360034
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
武田 光夫 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (00114926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 洋子 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (50281655)
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Keywords | コヒーレンス / ホログラフィー / 位相特異点 / Vortex / コヒーレンス関数 |
Research Abstract |
本研究は,コヒーレンスホログラフィーという新原理により3次元空間コヒーレンス関数を自由に記録・制御・シンセシスする技術を確立し,この新機能を用いた新しい工学的応用の開拓を目的とする.また,基礎科学面ではコヒーレンス渦場の位相特異点の性質やコヒーレンス場の力学的性質の解明などの新展開を目指す.この目的の実現に向けて平成18年度は以下の研究を行った. 1.コヒーレンスホログラフィーによるコヒーレンス渦場の生成とその力学的性質の解明 (1)コヒーレンスホログラムにより生成した複素コヒーレンス関数のジェネリックな渦場の位相特異点を初めて観測した.複素コヒーレンス場関数の渦場にポテンシャルに支配されたコヒーレンス流(Coherence Current)が存在し,流体力学の保存則と同形式の保存則が成立することを理論的に予測し初めて実験的に実証した.そして,コヒーレンス場の流体力学という新しい概念を導入した(Phys.Rev.Lett.2006). (2)上記(1)の研究はスカラー波動場のコヒーレンス関数に関するものであったが,それを任意の古典的なベクトル電磁場のコヒーレンス関数に拡張して,コヒーレンス運動量,コヒーレンス角運動量を導出して理論的な一般化をはかった(Opt.Lett.2006). 2.空間周波数コムを用いた3次元空間コヒーレンス関数の生成と制御 現在用いられている3次元絶対干渉計測法はすべて広帯域光周波数スペクトル光源を利用している.そのため,物体や媒質の屈折率分散や分光吸収の問題が生じ,特にバイオ応用などの波長分散性液浸計測や狭い分光透過スペクトル窓しかもたない吸収性物体の計測に制約を与えている.この問題を解決するために広帯域光周波数コム光源に代わるものとして,単色光で広帯域空間周波数をもつ空間周波数コム光源により3次元空間コヒーレンス関数を制御する新しい無分散3次元奥行き絶対計測法を提案し,実験によりその原理の有効性を実証した(Opt.Express 2006).
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Research Products
(13 results)