2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360086
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
新美 智秀 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (70164522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 英男 名古屋大学, 高等研究院・特任講師 (70362275)
山口 浩樹 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助手 (50432240)
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Keywords | 高クヌッセン数流れ / REMPI / 面・分子干渉 / 感圧・感温塗料 / 分子センサー / Langmuir-Blodgett膜 / リニア型エアロスパイクノズル / 気体分子運動論 |
Research Abstract |
低密度領域やマイクロ・ナノデバイス中の流れ場に代表される高クヌッセン数流れの解析では,流体を原子・分子の流れとして取り扱う必要がある.本研究では,分子センサーによる計測や分子運動に基づく理論解析により,高クヌッセン数流れの解析を行った. 光励起した発光分子の酸素分子による消光を利用して酸素圧力を測定する感圧塗料(PSP)を用いて,単段式宇宙往還機の推進用ノズルとして期待されているリニア型エアロスパイクノズル表面の圧力解析を真空環境下で実施し,本ノズルにおける側壁の有効性を実験的に検証した.さらに,マイクロ・ナノデバイスへPSPを適用するため,ナノ分子膜(LB膜)の形成手法をPSPに応用した感圧分子膜を開発した発光分子として用いるメゾポルフィリン錯体の中心金属により圧力感度が大きく変化することを示し、それぞれの発光分子に対して圧力計測こ最適な圧力範囲条件を明らかにした. PSPの発光強度は浸透した酸素分子数に反比例し,分子数は分圧に比例することから,PSPによる酸素圧力の計測が可能であると考えられるが,極限条件下ではこの関係が成立しない恐れがある.そこで,気体分子運動論より入射分子数流束と圧力の関係を導出し,入射気体の数密度や速度の条件によりPSPの発光強度と酸素圧力の関係が変わることを示し,希薄かつ高速な流れが入射する極限的な条件下では従来の解析方法の適用ができないことを明らかにした. さらに,気体分子と固体表面との相互作用を調査するため,気体分子の計測にREMPI法を適用した面・分子干渉実験装置の構築を行った.REMPI法は気体分子の光共鳴励起を応用した分光学的手法であり,従来の質量分析器を使用した気体分子の数密度,速度分布の計測に加え,回転エネルギーの計測が可能である.本実験装置を利用した気体分子と固体表面の相互作用の精緻データの取得に向けた実験が進行中である.
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