2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360098
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
手崎 衆 University of Toyama, 大学院・理工学研究部(工学), 教授 (50236965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 裕之 独立行政法人交通安全環境研究所, 環境研究領域, 研究員 (60419124)
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Keywords | 吸収分光 / 低温酸化反応 / アルキルラジカル / 多重反射 / すす生成 / 燃焼排気 / 反応機構 |
Research Abstract |
1.本研究代表者らが本研究の前身として開発した近赤外光周波数分光法の装置は、圧縮着火の低温酸化反応での重要化学種でありながら蛍光法では検出できないHO_2ラジカルの14〜1.5μmの吸収帯での観測を可能にし、さらにOHラジカルも対象となった。しかしそれらだけでは当該反応過程の解明には不十分であるため対象化学種の拡大が望まれた。そこで本研究では、既設装置を改造して紫外吸収法を組み込み、アルキルラジカルおよびアルキル過酸化ラジカルの検出を同一容器内で行うことにより、ジメチルエーテルおよびシクロプロパンのレーザ閃光分解生起酸化過程の解明を進めた。さらに既設近赤外分光法でもスペクトルの探索をすすめ、新たに蟻酸とホルムアルデヒドの検出に成功した。但し、紫外吸収はその光源が指向性の弱い重水素ランプであるため、全長1.5mの反応管に単一パスでの配置しかできず、過酸化物ラジカルの必要濃度が10^<14>molecule/cm^3以上となり、限られた好条件でのみで反応解析が可能であった。そこで一層の感度増強を図るため、光源を色素レーザとし、多重反射光路を設けることを計画し、平成19年度には装置設計と部品の製作を行った。 2.燃焼におけるすす生成の前駆体である、多環芳香族の成長過程を検討した。流通反応管を用いて試料ガスを過熱し、透過したガスをガスタイトシリンジを用いて採取し、ガスクロマトグララ質量分析計(GC-MS)を用いて分析した。ベンゼンを試料とし、全圧50〜750Torr、試料モル分率3×104、温度1100〜1260Kとして、ナフタレン、ビフェニル、アントラセン、フェナントレン、ピレンを観測した。高圧側でナフタレン、ビフェニルが多く、低圧ではアントラセン、ピレンが増加する。反応経路としてフェニルラジカル→ビフェニル→アセチレン付加によるフェナントレン生成などの過程を考察した。
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