2006 Fiscal Year Annual Research Report
バイオ嗅覚センサを搭載した犬型ロボットによる匂い・ガス源の探索
Project/Area Number |
18360120
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
石田 寛 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 助教授 (80293041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠山 茂樹 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 教授 (20143381)
佐藤 令一 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 助教授 (30235428)
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Keywords | ロボット / バイオセンサ / ガスセンサ / 表面プラズモン共鳴 / 金属ナノ構造体 / ガス源探知 / 乱流拡散 |
Research Abstract |
本研究は、バイオ嗅覚センサを搭載し、匂い・ガスを辿って危険物の所在を突き止める犬型セキュリティロボットの開発を目的とする。本年度は、市販のキットを用いて犬型ロボットを作製した。ロボットの鼻先にガスセンサを取り付け、旅行カバンの中に設置したガス源の探索を試みた。希薄なガス成分が地表付近を漂っている場合、首を下に向けセンサを地表に近づけることにより、確実なガス検知が可能となった。また、鼻先をカバンに近づけることにより、どの部分からガスが漏れ出ているか調べることに成功した。犬型ロボットは鼻の位置を自在に変えることができるため、匂い・ガス源探索に有効であることを確認した。 また、表面プラズモン共鳴(SPR)センサの作製を行った。プリズムを介してレーザ光を正確な角度で金属薄膜に入射すると、光によって金属表面に励起されたプラズモンと入射光が共鳴的に結合する。この現象はSPRと呼ばれ、その振動数が金属表面の誘電率に依存することから,化学物質の吸着を高感度に検出する手段として用いられている。本研究では金属ナノ周期構造を持つセンサチップを作製した。入射した光の回折成分を用いてSPRを励起する方法を採用し、LED光源を用いた小型センサを実現した。今後は、SPRセンサに種々の分子認識膜を固定化し、バイオ嗅覚センサの実現を目指す。製作したセンサは水中に溶解した化学物質の検出にも有効であり、水中化学探査ロボットの開発にも応用できる。 匂い・ガス源探索のアルゴリズムについても検討を行った。密閉室内で詳細な測定を行った結果、室内では壁面等の温度差によって数cm/sの微弱な自然対流が生じており、この気流に運ばれて匂い・ガスが広がることを確認した。半導体ガスセンサと超音波風速計を移動ロボットに搭載して室内各所のガス濃度と風向を測定し、ガス源の位置を推定することに成功した。
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Research Products
(6 results)