2007 Fiscal Year Annual Research Report
複合現実感による手術シミュレーションに関する基礎研究
Project/Area Number |
18360128
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
登尾 啓史 Osaka Electro-Communication University, 総合情報学部, 教授 (10198616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北嶋 彰 大阪電気通信大学, 総合情報学部, 准教授 (00304030)
吉田 晴行 大阪電気通信大学, 工学部, 講師 (90351486)
平井 慎一 立命館大学, 理工学部, 教授 (90212167)
宮崎 文夫 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (20133142)
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Keywords | ハプティックス / ダイナミックアニメーション / バーチャルリアリティ / 医療応用 / アミューズメント / シミュレーション工学 |
Research Abstract |
本年度は、人工の生体組織・臓器を触診したりする仮想手術システムを実際に構築するため、仮想レオロジー物体を指で操作するとき、触覚(力)と視覚(形状)のリアリティの再現性を検討した。また、その計算のさらなる高速化を図った。 このシミュレータでは、仮想の力・形状と現実の力・形状の一致が強く求められる、このとき、高速性と高精度という本来トレードオフ関係にある性質の両立が求められる。例えば、医師がバーチャル肝臓を指で触診したりするとき、実際の臓器から受けるのと類似した力や形状が提示されないと、そのシミュレータで訓練した技能は活きない。一方、人間の内臓はすべて、"押したあと離しても元の位置まで戻らず残留変異が残る"レオロジー物体である。これには"剛体"や"弾性体"における有限要素モデルのような成熟した物理モデルがない。もちろん、有限要素法のような多大な計算量を要するモデルでは、数十ms以下のリアルタイム性も期待できない。 このような背景から、我々はまず、十分な高速性が期待できるパーティクル(バネ・マス・ダンパ)モデルを採用した。次に、実際の力や形状の時系列と合致するよう、その物理パラメータ(離散質点の数やその配置、隣接質点間の力やモーメントを計算するのに用いられるバネ係数やダンパ係数など)をキャリブレーションした。このとき、パラメータ同定する押し方と同定が終わったモデルを評価する押し方を変えて、押し方を問わず力や形状の正確な再現ができることを、多数の実験とシミュレーションの比較結果より確かめた。 また、パーティクル(バネ・マス・ダンパ)モデルをオクトツリーという位置に関する階層モデルで表現し、バネ・マス・ダンパの個数を激減させ、力伝搬や形状変化の計算を数十ms以下にした。これより、実際の感覚とおなじものを精度よく体感できる道筋を得た。
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Research Products
(5 results)