2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360140
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 晴雄 Chiba Institute of Technology, 工学部, 教授 (90083849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 進 千葉工業大学, 工学部, 准教授 (00265472)
寺西 研二 徳島大学, 大学院, 助教 (80435403)
下村 直行 徳島大学, 大学院, 准教授 (90226283)
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Keywords | 圧電トランス / プラズマリアクタ / 誘電体バリア放電 / 電子放出 / 自己組織化 |
Research Abstract |
本年度は圧電トランス(PT)により希ガス中で発生する誘電体バリア放電(DBD)の自己組織化現象(SOP)に関する検討とこれまでに得られた研究成果を論文にまとめ投稿した。 前年度までにArやHeガスに少量の空気を混入した際にSOPが発生することを明らかにした。そこで、Arに混入するガス種やPTの印加電圧、ガス圧力を変えながらDBDを生成しSOPの発生条件を調べたところ、SOP形成には酸素と窒素の両方が必要であるという結果を得た。SOPはガス圧力100〜300Torr(空気混合率0.4〜1.0%)の間で観測され、ガス圧力増加に伴いグロー状からDBDの放電モードへ遷移する境界域で観測されることがわかった。これらの成果は2008年7月に開催された第19回電離気体中原子分子の物理に関する欧州会議(ESCAMPIG)で発表し、IEEE Trans. on Plasma Science誌に論文として掲載された。更に、SOPの発光をICCDカメラにより時間分解撮影した結果、PT表面電位が正負に立ち上がる半周期中で、先ず6角形に整列したスポット状放電が発生し、このスポット状放電が消滅した後グロー状の放電が観測された。このグロー状放電はそれ以前に生じたスポット状放電を避けるように発生し、これが6角形に整列した暗黒点として観測された。通常、DBDは誘電体電極上に蓄積した放電電荷が後続放電を断つと論じられているが、本研究では蓄積電荷の存在を放電発光観測により実証することができた。これらの成果は2008年10月に開催された第61回気体エレクトロニクス会議(GEC)で発表し、電気学会論文誌に速報として掲載が決まっている。前年度に検討したDBD型オゾン発生器の誘電体電極材料がオゾン生成特性に及ぼす影響については、論文にまとめPlasma Sources, Science and Technology誌に投稿中である。
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Research Products
(18 results)