2007 Fiscal Year Annual Research Report
有機強誘電体超薄膜を用いたローラブル超高感度赤外イメージセンサーの開発
Project/Area Number |
18360147
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石田 謙司 Kobe University, 工学研究科, 准教授 (20303860)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 啓文 京都大学, 工学研究科, 准教授 (40283626)
小林 圭 京都大学, 産学官連携センター, 助教 (40335211)
桑島 修一郎 京都大学, 工学研究科, 助教 (80397588)
|
Keywords | 強誘電体 / 有機材料 / 赤外センサ / 薄膜 / フレキシブル |
Research Abstract |
本研究では、「有機強誘電体」を用いてフレキシブル基板上に赤外センサーを形成し、高感度かつローラブルなセンサアレイ実現を目的としている。熱型の赤外線検出器である焦電型赤外線センサの高応答化においては、入射赤外光を効率的に熱変換する必要があり、上部電極として高い赤外-熱変換材料、下部電極としては素子内に赤外光を閉じこめるため高反射材料を選択することが望ましい。そこで、Au, Al, Cr, Pt, Cu を電極材料として上下電極に用いた強誘電性キャパシタを形成し、そのデバイス動作と残留分極量の特性評価を行った。上部電極をAlに固定し、下部電極の金属依存性を観測した結果、全ての金属薄膜において誘電(DE)ヒステリシスが得られるものの、表面ラフネスの大きなCu, Crにてデバイス動作の歩留まりが悪化した。またAu,Ptなど貴金属薄膜では分極反転電流ピークの半値幅低下が観測された。一方、下部電極をAlに固定して、上部電極の金属依存性を観測したところ、プロセス温度の高いAu, Pt, Cu電極において、膜中への金属拡散のためデバイス短絡現象が多く観測された。総じて、下部電極としては赤外線の反射率が高く表面ラフネスが小さく、安定的なDEヒステリシス特性を示す金薄膜が適しており、また上部電極としては赤外線を効率よく熱変換するためクロム電極が適していることが分かった。石英基板だけでなく、ポリイミド基板上にてキャパシタ型センサ構造を形成し、そのヒステリシス測定と湾曲に伴う誘起電荷の観測を行い、湾曲状態でのセンサ計測につながる電気測定が可能であることを示した。
|