Research Abstract |
インターネットはベストエフォートのサービスであり, 通信の品質が一定していない. しかし, インターネットを利用するアプリケーションの中には, 一定の品質を必要とするものもあり, また, インターネット利用者の中で安定した品質を求める声も多い. このような声に応える一つの例として差別化サービスがある.差別化サービスにおいては,品質の差に応じて料金にも差を付けることになる. すると, 利用者は, 品質と料金の関係を見て, 自分に適したクラスを選択することになる. これにより, 各クラスのトラヒックが変わる. 具体的には, 品質に対して利用者の効用が決まり, その効用に対して利用者の支払意思額が存在する.その支払意思額と料金とを比べてクラスの選択を行うことになる.また,同じ品質でも,コンテンツの内容により, 効用や支払意思額は異なる. すなわち, これからのインターネットサービスにおいては,料金の要素が重要になり, クラス選択を代表例として, サービスを利用するか否か, 利用するとしたらその量はいくらかなどさまざまな面に関係してくる. 本研究では, 第一に現在のインターネットトラヒックの解析を行って, その性質を明らかにする. 第二に, 料金要素の導入を行って理論を構築し, それに基づいたトラヒックの制御法やサービスの提供法などの提案を行う.
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