2008 Fiscal Year Annual Research Report
脳科学研究のための電子スピン共鳴イメージング法の研究
Project/Area Number |
18360194
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平田 拓 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60250958)
|
Keywords | 電子スピン共鳴 / イメージング / マウス / 高速化 |
Research Abstract |
短時間で電子スピン共鳴イメージングを行うための装置開発を行った。これまでに、5.8秒で46プロジェクションのデータを取得し、三次元画像を再構成することに成功した。従来は、三次元画像の取得に数10秒程度の時間が必要であったが、格段にデータ取得を高速化することに成功した。この研究の過程で、マウス頭部において、半減時が短い6員環のナイトロキシルラジカルを可視化することに成功した。従来は、半減期が比較的長い5員環のナイトロキシルラジカルを用いた実験が行われていたが、半減期が短いラジカル種でも画像化できることを示した。この成果は、これまで測定時間の問題で使用が困難であった6員環のナイトロキシルラジカルを動物実験で使用できることを示している。測定対象が広がり、応用分野に応じたスピンプローブの選択がより柔軟になった。また、短時間での測定が可能になったことにより、生体内のフリーラジカル種の分布に関する時間経過を調べることが容易になった。これまでの測定速度では、短時間で消滅するラジカル種の可視化は困難であったが、短時間での測定が可能になったため、早い速度の薬物動態を調べることが可能となった イメージング法の高速化に加え、スペクトルデータから情報を抽出し、空間にマッピングするイメージング法の開発も行った。酸素分圧感受性を持つスピンプローブを用いて、試験管内に封入したスピンプローブの酸素分圧を可視化できるようにした。本研究で開発したソフトウエアは、動物の脳内における酸素分圧の可視化のために用いられる。
|