2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360210
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
大内 雅博 Kochi University of Technology, 工学部, 准教授 (80301125)
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Keywords | 自己充填コンクリート / ポンプ圧送 / 流動性変化 / 比表面積 / 高性能AE減水剤 / 吸着量 / 自己充填モルタル / 流動性 |
Research Abstract |
ポンプ圧送による自己充填コンクリートの流動性変化のメカニズムを明らかにすることを目的として行った。ポンプ圧送によりフレッシュ時の自己充填コンクリート中に生じる応力は,圧縮応力とせん断応力の二つが考えられ,これを実験室内で模擬することの出来る方法を開発した。研究対象を,コンクリート中の流動性変化を生じていると考えられるモルタルとした。 最終年度となる本年度は,ポンプ圧送により自己充填コンクリートのモルタル相に生じる流動性変化のうち,初年度に明らかにした「変形性低下」に引き続いて,もう一方の「粘性低下」のメカニズムを解明することを目的として行った。 仮説「凝集状態から分散したセメント粒子から解放された吸蔵水が自由水となり,モルタルの粘性が低下する」立て,これを検証した。圧縮応力とせん断応力による流動性への影響を比較すると,圧倒的にせん断応力による影響の方が大きいことが分かった。以下,せん断応力のみを生じさせて実験を行った。 モルタルの初期の練り混ぜ方法を変え,流動性変化を比較した。その結果,練り混ぜ時に投入するエネルギーが大きいほど応力による流動性変化が小さくなった。初期の十分な練り混ぜによりセメント粒子が分散されていれば,その後のせん断応力によりさらに分散される程度が小さくなったと考えられる。 そして,水セメント比を変えたモルタルの流動性変化を比較した。その結果,水セメント比が大きいほど,粘性の低下率が大きくなった。これは,初期の練り混ぜ時にセメント凝集体内部に多くの水を溜め込み,これがせん断応力によって放出されることによるものと思われる。 以上,ポンプ圧送による変形性低下に続いて,粘性の低下も同時に再現することが可能となった。自己充填コンクリートのポンプ圧送による流動性変化の一般則構築の見通しを得ることができた。
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Research Products
(3 results)