2008 Fiscal Year Annual Research Report
制震ダンパーによる動的挙動が複雑な鋼橋の耐震補強に関する研究
Project/Area Number |
18360216
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
宇佐美 勉 Meijo University, 理工学部, 教授 (50021796)
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Keywords | 耐震 / 制震 / 大地震 / 鋼橋 / 制震ダンパー / 座屈拘束ブレース / 変形性能 / 累積塑性変形 |
Research Abstract |
1.軽量化した座屈拘束ブレース(BRB)を試作し,変動変位および定振幅引張一圧縮試験を実施した.目的は,(1)高機能制震ダンパーの目標性能(限界軸ひずみ=3%,限界累積塑性ひずみ70%)が確保出来るかどうか,(2)低サイクル疲労強度を求め,累積塑性ひずみによる低サイクル疲労照査の妥当性を検証する,(3)研究代表者らによる修正2曲面モデルを用いた複合非線形準静的解析による実験結果の検証を行う,ことである.得られた知見は次のようである. 1)全体座屈が生じないBRB供試体は高機能BRBの目標性能を満足する. 2)誘導した全体座屈防止条件式で,3.0の安全係数を確保することにより全体座屈は防止できる. 3)累積塑性ひずみによる低サイクル疲労照査は安全側にある. 4)数値解析手法によりBRBの挙動を精度よく模擬できる. 上の研究は,新設橋梁,あるいは既設橋梁のブレース材の取り替え用BRBを対象としているが,既設ブレース材に拘束材を被せ,BRB化する研究も進行している. 2.断層モデルにより地震動を発生させる手法により,サイトの影響を取り入れた地震動を用いて,震源断層近傍における上路式鋼トラス橋の進行性破壊のシミュレーションを行った.これは,広域的な地震応答解析による鋼橋の安全性照査手法の開発の基礎となる.
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