2008 Fiscal Year Annual Research Report
ワイヤレス・センサ・ネットワークによる広域振動モニタリングに関する研究
Project/Area Number |
18360269
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
濱本 卓司 Musashi Institute of Technology, 工学部, 教授 (10228546)
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Keywords | ワイヤレス・センサ・ネットワーク / 広域振動モニタリング / 地震動 / 交通振動 / JIGBEE / 同期 / GPS / 分散処理 |
Research Abstract |
本年は広域振動計測のために精0.1ガルのワイヤレス加速センサをたに開発し,物部におけるテストを,3成分センサ8個を用いて武蔵工業大学建築学科棟(RC造4階)で実施し,また建物外部におけるテストを,1成分(上下動)センサ10個を用いて多摩川に架かる丸子橋での道路振動計測と大井町線沿線での鉄道振動計測を実施した。計測結果を昨年度の精度1ガルの加速度センサの場合と比較し,構造物や地盤の固有振動数の同定および移動振動源の同定の精度向上を確認した。しかし,1.5ガル程度より小さな振動になるとAD変換器で発生するノイズに埋もれてしまうという問題が生じたため,現在フィルタの改善を進めている。さらに,多点間の振動を処理するには従来のセンサ内水晶時計では十分な位相精度が得られず,より正確な同期をとる必要があることもわかった。このため現在,GPSを利用するセンサ基盤の開発を進めている。 一方,品川区の戸越銀座近辺をワイヤレス・センサ・ネットワークのパイロット地区に選定し,地震動と環境振動に対する広域振動モニタリングを実施するために,品川区教育委員会の許可を受け,新幹線,私鉄,地下鉄,国道など交通振動の発生源が多く環境振動モニタリングの対象地区として好ましい条件を備えた小中学校の測定を行うことが可能となったのを機に,建物内部と外部をつなぐ広域モニタリングの予備検討を実施し,その可能性と今後の課題を検討した。対象建物は品川区戸越台中学校で,建物内および建物が面する国道一号線の同時計測を行った。 こうした本年度の成果を踏まえ,次年度(平成21年度)は品川区の戸越銀座近辺でワイヤレス・センサ・ネットワークの構築を開始し,地震動と環境振動に対する振動モニタリングを実施する予定である。多数のセンサ情報の伝送において,振動の時系列データそのものを送ることは冗長であり電源の無駄遣いにもなりかねないので,現在,各センサ内のメモリに時系列データを温存して好きな時にデータ処理をする方法と,各センサ内で計測情報を圧縮あるいは変換した後に伝送してセンサ間で分散処理する方法とを併用する方式を検討中である。
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Research Products
(6 results)