2006 Fiscal Year Annual Research Report
住環境の特有価値の創出を目指したコミュニティ参画に基づく地域再生の実践的研究
Project/Area Number |
18360296
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Research Institution | Kobe Design University |
Principal Investigator |
齊木 崇人 神戸芸術工科大学, デザイン学部, 教授 (90195967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土肥 博至 神戸芸術工科大学, 教授 (90015800)
杉本 正美 神戸芸術工科大学, 教授 (40081492)
小玉 祐一郎 神戸芸術工科大学, 教授 (90108209)
上原 三知 神戸芸術工科大学, 助手 (40412093)
佐藤 滋 早稲田大学, 理工学部, 教授 (60139516)
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Keywords | 特有価値の創出 / 地域再生 / コミュニティ論 / 田園都市思想 / 大学公開講座 / 実践的研究 / ワークショップ / コミュニティマネージメント |
Research Abstract |
本研究は、新しく計画される住宅地(神戸「ガーデンシティ舞多聞」、施行:都市再生機構)の実践を通じて、新居住者を対象に、大学が「住環境の特有価値の創出」を主課題とした「公開講座」「ワークショップ」を継続的に開催し、新居住者の「コミュニティデザイン(コミュニティづくり、ルールづくり)」「スペースデザイン(宅地計画、住まいづくり)」「コミュニティマネージメント(ネットワークづくり)」のサポートを行い、そのプロセスを新しい居住環境づくりの手法として体系化し、既存ニュータウン地域の再生へと展開させることを目的としている。平成18年度の研究実績を以下に記す。 1.「ガーデンシティ舞多聞」の実践 第一工区(みついけプロジェクト)は、平成14年度以降、大学のサポートにより、「コミュニティデザイン」「スペースデザイン」を実践し、平成18年3月に宅地引渡しが行われた。平成18年度は、主に「コミュニティマネージメント」が実践され、「ルールの活用」「共有財産(公園、緑地)の運用・管理」「インターネットによる新しい住まい方の情報発信」が準備・検討された。 第二工区(みついけ南プロジェクト)は、第一工区で行われた「コミュニティデザイン」「スペースデザイン」「コミュニティマネージメント」の内容を引き継ぎ、平成18年度は「グループ募集」「ワークショップ参加による住まう前のルールづくり」「ルールづくりと平行した住まいのイメージづくり」「コミュニティの世話人の選出」を実践した。 また、第三工区から最終工区の土地利用計画は、都市再生機構が作成した計画案に対し、大学から前記2工区の実践内容を踏まえた修正案を提案し、その一部の採用が決定した。 現在と将来の入居者の、居住環境づくりに対する眼差しを育むことを目指した大学公開講座は、9、11、3月の計3回開催。 9月には、平成14年度以降「舞多聞」プロジェクトに関わった、都市再生機構と神戸芸術工科大学のメンバーによる研究会を開催。これまでの実践プロセスと今後の課題について、事業者・プランナー双方の視点から確認し、その内容を整理した。 2.国内外の現地調査 国内調査は沖縄、国外調査はイギリスと台湾で行った。沖縄では、琉球王朝期に実践された「既存集落の骨格を生かした公的機関・コミュニティ施設の配置計画と集落間のネットワークづくり」に着目した。イギリスでは、ファーストガーデンシティ「レッチワース」のマスタープランのモチーフとなった「中世からの伝統的な農村集落」、ガーデンシティ以前の「田園郊外住宅地」、伝統的な集落のスペースデザインとコミュニティデザインを採り入れた、新しい住宅地計画に着目した。台湾では、客家民族の伝統的な三合院建築の集落における、「風水に基づく空間構成」「可変性」「集住の工夫」「共有の意識」に着目した。 3.学会等における発表 研究成果の発表は、「China Planning Network」(6月、北京)、「国際フォーラム『維持可能な都市のための地域デザイン第一田園都市レッチワースに学ぶ』」(10月、九州大学主催、福岡)、「World Association of Chinese Architects」(11月、杭州)にて行った。
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Research Products
(7 results)