2006 Fiscal Year Annual Research Report
干渉したフェムト秒光パルスで創る透明材料のサブミクロン加工とデバイスの開発
Project/Area Number |
18360314
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
黒堀 利夫 金沢大学, 教育学部, 教授 (90153428)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青島 紳一郎 浜松ホトニクス(株), 中央研究所, グループ室長 (70393931)
|
Keywords | フェムト秒レーザー / 格子欠陥 / 微小共振器 / イオン結晶 / 分布帰還型レーザー / 応用光学 / 高性能レーザー |
Research Abstract |
フェムト秒Ti:サファイアレーザー(波長790nm,パルス幅130fs,パルスエネルギー10mJ)の基本波および第二高調波(波長395nm)からの干渉したレーザービームを用いて,フッ化リチウム(LiF)単結晶中にサブミクロンの周期間隔を持つ屈折率変調回折構造を書き込み,それを用いた赤色領域での室温,パルス動作分布帰還型(DFB)LiFカラーセンターレーザーを実現することを目標とした. 基本波での書き込みでは,回折格子のピッチとして0.5ミクロン前後が理論的に書き込める限界であり,これを用いた書き込みは成功した.このサブミクロン構造を用いてLiFのF_2センターによる691および711nmでの室温,パルス発振を実現した.発振スペクトル線幅は0.1nmであった. 次に,第二高調波(395nm,パルス幅130fs,パルスエネルギー1.5mJ)を用いて,「シングルパルス干渉露光法」による書き込みを行った.LiFのF_3^+センターによる530nmでのDFB発振を得るために必要な周期間隔は390nmとなり,書き込みやパルスの時間・空間的な同期が非常に難しくなった.そのために実時間モニターとして,CCDに高性能なズームレンズ系を購入したシステムの導入や,その評価において,3Dレーザー顕微鏡などでの測定を行った.現時点で390nmピッチの周期構造をLiF単結晶中に,幅15mm,深さ100-150ミクロンで書き込めるようになっている. このサブミクロン構造を書き込んだ試料を-200K程度に冷却して,500keVの電子線照射(大阪府立大学・放射線総合科学研究センター)によってレーザー発振に必要な10^<16>個/cm^3以上のF_3^+センターを形成する照射を実施した.さらに,この結晶をパルスOPOレーザー(450nm,1mJ)のナノ秒パルスで励起し,室温で波長530nmでのレーザー発振を得る実験を継続中である.
|
Research Products
(3 results)