2008 Fiscal Year Annual Research Report
セメントおよびコンクリートの衝撃破壊挙動の解明と耐衝撃特性の向上
Project/Area Number |
18360323
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田邊 靖博 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 教授 (70163607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤津 隆 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 准教授 (40231807)
宮内 博之 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教 (40313374)
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Keywords | セメント・モルタル / 衝撃試験 / 複合材料 / PE繊維 |
Research Abstract |
実用衝撃負荷速度域において、耐衝撃抵抗性が高く、不測の場合には制御された破壊を起こす新たな繊維強化セメントおよびコンクリートを創製するための基礎的知見を与えることを目指している。 一昨年・昨年度の結果から、材料の靱性が衝撃特性に大きな影響を与えることが明らかとなったため、強度のみならず、靱性(破断伸び)を向上させることをも考慮して、PE繊維強化モルタルを作製し、衝撃試験を行ない、その破壊様式を詳細に観察・計測した。モルタルを複合材料あるいはセラミックスの一つと考えて、CFRPならびにセラミックにおける衝撃特性と機械的物性との関係についても実験ならびに考察を行った。 その結果、繊維の荷重保持力(強度×断面積の大きな繊維)が大きいほど耐衝撃抵抗性が高いこと、マトリックスが延性であるほど破片が大きくなる傾向にあること、破壊靱性値が大きいほど欠損体積が小さくなること、材料の硬さや圧縮特性の影響は小さいこと、が分かった。 モルタルやセメントは構造物中で主として、圧縮応力に抵抗するように設計されているため、圧縮強度を重要視して作製されてきた。しかしながら、本研究の結果より、飛翔体の衝突問題については、引張強さ及び靱性値が重要な特性であることが明らかになった。また、コーンクラック部の破断面を観察すると、ポリエチレン繊維部分で破断が発生していたため、繊維の機械的特性によっても破壊現象が大きく異なることが示唆された。高強度コンクリート、繊維とモルタルの密着性制御、ならびに高強度繊維を組み合わせることで、飛翔体の衝突で材料中に大きな欠損が生じさせない、耐衝撃抵抗性が高く、不測の場合には制御された破壊を起こす新たな繊維強化モルタルあるいはセメントが作製できることが示唆された。
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Research Products
(4 results)