2007 Fiscal Year Annual Research Report
炭化物とナノCu粒子を複合利用したハイブリッド鋼の提案
Project/Area Number |
18360332
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高木 節雄 Kyushu University, 工学研究院, 教授 (90150490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土山 聡宏 九州大学, 工学研究院, 準教授 (40315106)
中島 孝一 九州大学, 工学研究院, 助教 (30363378)
中田 伸生 九州大学, 工学研究院, 助教 (50380580)
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Keywords | 鉄鋼 / 粒子分散強化 / 銅 / ハイブリッド / 高強度・高延性 |
Research Abstract |
本年度は以下の種類のハイブリッド鋼の創製を試み、その組織学的および機械的特徴を調査した。 (A)マルテンサイト型ハイブリッド鋼 マルテンサイト組織を基地組織とし、その内部に硬質炭化物粒子(NbC)と軟質Cu粒子をそれぞれ単独分散および複合分散した3種類の鋼を作製し、焼戻しに伴う硬度変化(時効硬化挙動)ならびに組織変化を調査・比較した。その結果、複合分散鋼の時効硬化挙動は、単独分散鋼のそれぞれの時効硬化挙動を反映しており、さらに両鋼よりも高いピーク硬度を示した。詳細な組織観察の結果、複合分散鋼において、NbCとCu粒子は独立して微細分散していることが確認され、炭化物粒子とCu粒子によるハイブリッド効果が実現されることが証明された。 (B)パーライト型ハイブリッド鋼 フェライトとセメンタイトのラメラ組織であるパーライト鋼にCuを添加し、共析変態挙動ならびに得られる組織の特徴とその引っ張り特性を調査した。その結果、添加したCuはパーライト/オーステナイト界面でフェライト相に濃化し、その後、微細なCu粒子として析出することが明かとなった。そして、得られた鋼は、Cu粒子の分散強化が加算されることで従来のパーライト鋼に比べてより高い強度を有していた。さらに、フェライト相中のCu粒子が軟質であることに起因して、鋼の塑性変形能は大きく低下しないため、本鋼を伸線加工することも可能であり、従来のピアノ線の強度を上回る超高強度ピアノ線の創製にも成功した。
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Research Products
(2 results)