2008 Fiscal Year Annual Research Report
クリーンエネルギーシステム用高性能ダイオード型水素ガスセンサの材料設計
Project/Area Number |
18360333
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
清水 康博 Nagasaki University, 工学部, 教授 (20150518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江頭 誠 長崎大学, 工学部, 教授 (60037934)
兵頭 健生 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 助教 (70295096)
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Keywords | 陽極酸化 / TiO_2 / 水素ガスセンサ / ダイオード / Pd-Pt合金電極 |
Research Abstract |
これまでの研究で、サブミクロン孔を有する陽極酸化膜にPdまたはPd-Pt系合金電極を取り付けたダイオード型ガスセンサが、空気中および窒素中において、幅広いH_2濃度範囲で可逆的で良好なH_2応答を示すことを明らかにしてきた。そこで本年度は、単層のPd-Pt合金電極とPdとPtの積層電極を用いた場合に、その電極形態がH_2ガス応答特性に及ぼす影響を評価することを目的とした。なお、以下では、陽極酸化TiO_2膜表面にはじめにPd、その後Ptを積層した電極をPt/Pd、逆に積層した電極をPd/Pt電極と表し、センサも電極の種類で区別する。 空気中の測定では、3種類の電極を有するセンサの内、Pd-Pt電極センサが最も大きなH_2ガス応答を示し、Pt/Pd電極センサが最も小さなH_2ガス応答を示した。逆に、応答回復速度は、Pt/Pd電極センサが最も速く、Pd-Pt電極センサが最も遅くなった。これは、電極表面に露出している金属の種類によって、電極表面への化学吸着酸素または部分的な酸化膜の形成の程度が異なり、その結果、水素ガスの燃焼・消費速度が異なり、水素原子の電極内部への溶解量が異なることを反映している。実際、窒素中の測定では、空気中での測定と比較して、3種類のセンサはともに格段に大きな、そして、ほぼ同程度のH_2ガス応答を示した。さらに、全てのセンサについて、空気中での測定と比較して窒素中での測定では、応答時間は短縮されるが、回復時聞は逆に長くなる傾向を示した。このような特性の変化も電極表面の化学吸着酸素の存在と、気相または化学吸着酸素と金属内部へ溶解している水素原子との反応性の差に起因している。従って、窒素中での測定では、H_2ガス応答特性に及ぼす電極の組成の影響が小さくなることを確認した。
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Research Products
(11 results)