2007 Fiscal Year Annual Research Report
経年劣化評価のための非線形超音波フェイズドアレイ基盤技術の構築
Project/Area Number |
18360343
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
三原 毅 University of Toyama, 大学院・理工学研究部, 教授 (20174112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 一司 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (00292227)
辻 俊宏 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70374965)
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Keywords | フェイズドアレイ / 非線形超音波 / PMN-PT / SUS316 / き裂 / サブハーモニック / 光弾性可視化法 / アレイ設計 |
Research Abstract |
1.強力超音波の送受信システムの構成と制御技術に関する設計・試作最近開発されたスクエアバースト励振型の超音波探傷器を改良し、8台を精密にまとめて制御することで、アレイ対応型送信システムに改良開発した。制御回路基盤を設計変更し、8台を制御できるソフトウェアの開発し、当初の予定通り、8chの送信アレイが駆動できる探傷システムを構成した。本装置を、1chづつ市販の探触子につないで確認し、性能の確認とフィードバックによる改良を加えた。平行して8chアレイの実現に向けて、最適のアレイ設計を行い、ピッチ1.8mmのアレイを第一設計として確定し、素子の加工、電極の貼り付け、配線、探触子としてのパッケージをイい、試作アレイを完成した。 2.高電圧の励起に耐えるアレイ用素子の検討と試作本実験の骨子のひとつは、従来非線形超音波計測に用いてきたLiNbO_3単結晶圧電素子よりも大きな変位振幅が期待できる、最近開発されたPMN-PT単結晶素子を利用することにある。ただPMN-PT素子は、キュリー温度が低く、また脆いため、接着加工時には60度以上に温度を上昇させないよう、また加工時には加工応力が最小になるよう留意し、単一素子として十分な性能の探触子が作製できるかを検証した。その結果、諸条件を選択すれば、同じ励振電圧で励起した場合、従来のLiNbO3単結晶圧電素子より3倍程度以上の大きな変位が得られることを確認した。 3.試作探触子の性能評価とまとめ試作した探触子はスクエアバースト探傷器と組み合わせ、探触子表面変位の計測や光弾性可視化装置により音場観察し一定の有効性を確認できた。結論として、PMN-PT素子は非線形圧電材料として高電圧に耐える信頼性が期待できる単結晶でありながら、PZT並みの変位が得られることから有望である。スクエアバースト探傷器は、従来のシステムに比べ1/5程度のコストで非線形計測に耐える大変位を発生でき、非線形計測の普及やアレイ技術の開発に重要な技術となることを始めて確認した。
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