2006 Fiscal Year Annual Research Report
微細結晶超塑性を利用した極細異形集合マイクロチューブの創製法開発
Project/Area Number |
18360355
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
真鍋 健一 首都大学東京, 大学院理工学研究科, 教授 (10145667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楊 明 首都大学東京, 大学院システムデザイン研究科, 教授 (90240142)
吉原 正一郎 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教授 (00311001)
高橋 智 首都大学東京, 大学院理工学研究科, 准教授B (80260785)
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Keywords | マイクロチューブ / ダイレス引抜き / 超塑性 / 異形管 / 集合管 / FEM / 幾何学的相似変形原理 / 伝熱 |
Research Abstract |
本研究では,超塑性ダイレスマイクロ引抜きの特徴である「横断面幾何学的相似変形原理」を応用し,高い生産効率を有する極細異形マイクロチューブの最適創製条件を解明し,それと超塑性の優れた拡散接合性を組合せて,従来にない複雑断面形状のダイレスマイクロ極細異形集合マイクロチューブの創製開発を目的としている.本年度は,初年度として角管とその多穴異形管(日型断面)及び2本の円管を束ねた異形集合管を対象として,以下の項目について検討した。 (1)各種管及び集合管のFEM変形シミュレーション 単一管と集合管に対して,加工中の熱伝達,加熱冷却部の移動,材料のひずみ速度依存性を考慮したFEMモデルを作成しそれに基づく高度な熱一変形連成解析を行った.その結果、円管に対して成り立つ断面形状の「幾何学的相似変形原理」は一体管であれば他の断面形状や日型断面形状でも成り立つことを確認した。しかし、複雑断面形状の集合管では、構成する管同士が強く接触するかどうかによって伝熱特性が大きく変化することから適正温度分布を作り出すことが難しく、それが直接接合状況に影響を及ぼすため、異形集合管の創製には断面内の伝熱を考慮した適正温度分布を解明することの重要性を明らかにした。 (2)各種管及び集A管のダイレスマイクロ引き実験と形状・品質・組織評価 上記シミュレーションと並行して,実験的裏付けのための引抜き実験を既設設備の高周波誘導ダイレス引抜き装置で行った。FEM結果を裏付ける実験結果を得て、単一管及び日型断面形状管での「幾何学的相似変形原理」を実証することができた。しかし、複雑断面形状の集合管では管同士の良好な接触状態を作りだすことが困難で、創製した集合管の接合状態を議論する段階まで進まず、創製原理の検証実験は成功には至らなかった。また、断面形状、精度及び金属組織は一体管のレベルまで到らず、次年度に向けた検討課題が明確になった。
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